失業保険の待機期間とは?7日間の数え方といつ振り込まれるかを解説

「待機期間の7日間って、いつから数えるの?」

失業保険の手続きをしたあと、多くの人が最初につまずくのがこの待機期間です。

私は会社員(大手企業とスタートアップ)、フリーランス、経営者、採用責任者のすべてを経験し、自分自身の離職時にも、また採用する側としても雇用保険の手続きに関わってきました。その中で実感するのは、待機期間の仕組みを正しく理解していないと、受給開始が1週間、場合によっては1か月以上も遅れてしまうということです。

この記事では、失業保険の待機期間の基本ルール、7日間の正しい数え方、給付制限期間との違い、期間中にやるべきこと、そして実際にお金が振り込まれるタイミングまでを、手続きの流れに沿って整理しました。読み終えるころには、自分の受給開始日がいつになるのかを自分で計算できるようになります。

目次

失業保険の待機期間とは?全員一律7日間のルール

失業保険(雇用保険の基本手当)は、ハローワークで手続きをすればその日から支給が始まる制度ではありません。まず最初に立ちはだかるのが、7日間の待機期間です。ここでは、待機期間の定義と、なぜこの期間が設けられているのかを確認していきます。

正式名称は「待期期間」で全員に適用される

一般的に「待機期間」と書かれることが多いこの期間ですが、雇用保険法上の正式名称は「待期期間(たいききかん)」です。検索されやすいのは「待機」のほうですが、ハローワークの窓口で配布される『雇用保険の失業等給付受給資格者のしおり』や各種書類では「待期」と表記されています。読み方も意味も同じなので、どちらで覚えていても手続き上の支障はありません。

待期期間とは、ハローワークで求職の申込みを行い、受給資格の決定を受けた日から通算して7日間、失業の状態にあることを確認するための期間です。この7日間は、たとえ受給資格を満たしていても基本手当は1円も支給されません。

重要なのは、この7日間が「例外なく全員に適用される」という点です。

自己都合退職でも会社都合退職でも同じ7日間

会社都合退職なら待期期間が免除される、と誤解している人が少なくありません。しかし、待期期間は倒産・解雇による離職でも、自分の意思による退職でも一律で7日間です。離職理由によって差が出るのは、待期期間のあとに続く「給付制限期間」の有無であり、待期期間そのものではありません。

パート・アルバイトからの離職でも適用される

雇用保険に加入していたパートやアルバイトの方が離職した場合も、扱いは正社員とまったく同じです。受給資格が決定すれば、そこから7日間の待期期間がスタートします。

待機期間が設けられている理由

「なぜ7日間も待たされるのか」と感じる方もいるはずです。待期期間には、大きく2つの目的があります。

1つ目は、本当に失業状態にあるかどうかを確認するためです。失業保険は「働く意思と能力があるのに就職できない状態」の人を支えるための制度です。手続き直後にすぐ再就職が決まるようなケースまで支給対象にすると、制度の趣旨から外れてしまいます。

2つ目は、短期間の離職や事務手続き上の空白に対して、いちいち給付を行う事務負担を避けるためです。ごく短い期間で次の職場に移る人まで支給対象にすると、事務処理が膨大になり、本当に困っている人への給付が遅れかねません。

つまり待期期間は、罰則的な意味合いのものではなく、制度を適正に運用するための確認期間だと理解しておくとよいでしょう。

待機期間の起算日は受給資格決定日

待期期間でもっとも間違えやすいのが「いつから数え始めるのか」です。ここを誤解していると、受給開始日の見込みが丸ごとずれてしまいます。

離職票の提出と求職申込みが起点になる

待期期間のカウントが始まるのは、ハローワークに離職票を提出し、求職の申込みを行って受給資格が決定した日(受給資格決定日)からです。この日を1日目としてカウントします。

手続きの日には、以下のものが必要になります。

持ち物備考
雇用保険被保険者離職票(1・2)退職した会社から交付される
個人番号確認書類マイナンバーカード、通知カードなど
身元確認書類運転免許証、マイナンバーカードなど
証明写真縦3.0cm×横2.4cm(マイナンバーカード提示で省略可の場合あり)
本人名義の預金通帳またはキャッシュカード振込先口座の確認用

※必要書類は管轄のハローワークによって運用が異なる場合があります。事前に窓口で確認しておくと安心です。

離職票が会社から届くまでには、退職日から10日〜2週間程度かかるのが一般的です。この期間は待期期間に含まれません。つまり、離職票の到着が遅れれば遅れるほど、受給開始も後ろにずれていきます。会社に離職票の発行を早めに依頼しておくことが、実は最初の時短ポイントです。

退職日からではない点に注意

「退職した日から7日経てば待期は終わる」と考えている方がいますが、これは誤りです。退職日と待期期間の開始日はまったく別物で、ハローワークで手続きをするまでカウントは1日も進みません。退職から2か月後に手続きをすれば、待期期間が始まるのもその日からです。

自己都合・会社都合で待機期間は変わらない

繰り返しになりますが、待期期間の7日間に離職理由による差はありません。違いが出るのはその後です。

離職理由待期期間待期後の給付制限
会社都合(倒産・解雇など)7日間なし
特定理由離職者(正当な理由のある自己都合)7日間なし
自己都合(一般)7日間原則1か月

自分がどの区分になるかは、離職票に記載された離職理由コードと、ハローワークでの判定によって決まります。会社が記載した離職理由に納得できない場合は、手続きの際に窓口で異議を申し立てることが可能です。

失業保険の待機期間7日間の正しい数え方

待期期間は「7日間」とシンプルに見えますが、実際には「通算して7日」という数え方をします。ここを理解しておかないと、思っていた日に待期が明けないという事態が起こります。

土日・祝日も含めて通算でカウントする

待期期間は暦日でカウントします。土曜日、日曜日、祝日、年末年始も、失業の状態にあれば1日としてカウントされます。ハローワークの開庁日だけを数えるわけではありません。

たとえば月曜日に受給資格が決定した場合、以下のようになります。

日付曜日状態カウント
1日目失業状態(手続き当日)1日
2日目失業状態2日
3日目失業状態3日
4日目失業状態4日
5日目失業状態5日
6日目失業状態6日
7日目失業状態7日(待期満了)

このケースでは、手続きから7日目の日曜日に待期期間が満了します。手続き当日を1日目として数える点も、間違えやすいポイントです。

失業状態にない日はカウントされない

待期期間の7日は「連続した7日間」である必要はありません。あくまで「失業の状態にある日が通算して7日に達するまで」です。

裏を返せば、失業状態と認められない日があると、その日はカウントされず、待期の満了日がその分だけ後ろにずれます。失業状態と認められない主なケースは次のとおりです。

アルバイトや手伝いで働いた日

雇用形態を問わず、収入を得る労働を行った日は失業状態とみなされない可能性があります。1日4時間以上働けば「就労」として扱われるのが一般的な運用ですが、4時間未満の内職・手伝いであっても、待期期間中は申告が必要で、判断はハローワークに委ねられます。待期期間中に限っては、時間の長短にかかわらず働かないのが安全です。

家業の手伝いや無給のボランティア

「無給だから問題ない」と自己判断するのは危険です。制度上は無給のボランティアも申告対象となり、内容によっては就労とみなされることがあります。待期期間中に予定がある場合は、事前に窓口へ相談しておきましょう。

【具体例】待機期間の日数シミュレーション

言葉だけではイメージしにくいので、2つのパターンで比較してみます。

働かずに過ごした場合は7日で満了

1日目に手続きを行い、その後まったく働かなかった場合、7日目に待期期間は満了します。会社都合退職であれば、この翌日から基本手当の支給対象期間に入ります。

途中でアルバイトをすると満了日がずれる

3日目と4日目にアルバイトをした場合、その2日間はカウントされません。

日付状態通算日数
1〜2日目失業状態2日
3〜4日目アルバイトカウントなし
5〜9日目失業状態通算7日で満了

このように、2日働いただけで待期満了が2日後ろ倒しになります。待期満了日が遅れれば、初回認定日や初回振込日も連動して遅れることになります。生活費が心配で働きたい気持ちは理解できますが、待期期間の7日間だけは我慢したほうが、結果的に早くお金を受け取れます。

待機期間の満了日を確認する方法

自分の待期満了日は、ハローワークで受給資格が決定した際に交付される「雇用保険受給資格者のしおり」や、受給資格者証(またはマイナンバーカード連携での通知)で確認できます。初回の説明会や認定日の案内も同時に指定されるため、渡された書類は必ず保管しておいてください。

日程に不安がある場合や、待期期間中に働いてしまった場合は、自己判断で済ませず管轄のハローワークに問い合わせるのが確実です。待期の満了日がずれているかどうかは、窓口でその場で確認してもらえます。

待機期間と給付制限期間の違いを整理

待期期間と混同されやすいのが「給付制限期間」です。この2つはまったく別の制度で、対象者も期間も異なります。ここを整理できると、自分の受給開始日が正確に見えてきます。

給付制限期間は自己都合退職者のみ原則1か月

給付制限期間とは、自己都合で退職した人に対して、待期期間の満了後にさらに設けられる不支給期間のことです。期間は原則1か月です。

つまり自己都合退職の場合、受給資格決定日から「7日間の待期期間+1か月の給付制限期間」を経てから、ようやく支給対象期間に入ります。手続きの日から数えると、おおよそ1か月と1週間ほど先ということになります。

待期期間との違いを表で整理します。

項目待期期間給付制限期間
対象者受給資格者全員主に自己都合退職者
期間7日間原則1か月
起算日受給資格決定日待期期間の満了日の翌日
アルバイト実質不可(待期が延びる)一定条件下で可能
目的失業状態の確認安易な離職の抑制

同じ「待たされる期間」でも、待期期間中は働くと満了日がずれるのに対し、給付制限期間中は条件を守れば働けるという大きな違いがあります。ここを知らずに給付制限期間まで無収入で耐えてしまう人は少なくありません。

5年以内に3回以上の自己都合退職は3か月

給付制限は必ず1か月とは限りません。離職前の5年間に、自己都合による離職が3回以上ある場合は、3回目以降の給付制限期間が3か月になります。短期間での転職を繰り返している方は、この点に注意が必要です。

また、自分の責任による重大な理由で解雇された場合(懲戒解雇に相当するケースなど)も、給付制限期間は3か月です。この場合、離職票上は会社都合に見えても給付制限が課されます。

給付制限の日数は離職票とハローワークの判定で決まる

自分がどの扱いになるかは、離職票の離職理由と過去の受給歴をもとに、ハローワークが判定します。手続きの際に窓口で「私の給付制限は何か月になりますか」と確認しておけば、その場で教えてもらえます。

会社都合退職は待機期間7日間のみ

倒産、解雇、雇止め、あるいはハラスメントや長時間労働など、やむを得ない事情による離職と認められた場合、給付制限は課されません。7日間の待期期間が満了すれば、その翌日から支給対象期間に入ります。

給付制限が課されない主なケースは次のとおりです。

  • 倒産、事業所の廃止による離職
  • 解雇(自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇を除く)
  • 契約更新の上限に達したことによる雇止め
  • 賃金の未払いや大幅な減額があった
  • 一定水準を超える時間外労働が続いた
  • 上司や同僚からのハラスメントを受けた
  • 親族の介護や本人の傷病により離職せざるを得なかった

自己都合で退職届を出していても、実態が上記に該当すれば「特定理由離職者」や「特定受給資格者」として扱われ、給付制限なしで受給できる可能性があります。心当たりがある方は、勤務記録や医師の診断書、社内メールなど、事情を裏づける資料を持参して窓口で相談してください。私が採用側として見てきた限りでも、実態は会社都合に近いのに自己都合で処理されている離職票は珍しくありません。

教育訓練を受けると給付制限がなくなる

自己都合退職であっても、一定の教育訓練を受けることで給付制限が解除される仕組みがあります。対象となるのは、教育訓練給付金の指定講座など、厚生労働大臣が指定する教育訓練です。離職日前1年以内に受講した場合、または離職後に受講している場合が対象となります。

この制度を使えば、7日間の待期期間の満了後すぐに支給対象期間に入るため、受給開始を1か月早められる計算になります。

対象講座はハローワークで必ず確認する

すべてのスクールや通信講座が対象になるわけではありません。制度の対象かどうかは、講座ごとに指定を受けているかで決まります。「給付制限がなくなるから」という理由だけで高額な講座を申し込む前に、必ず管轄のハローワークで対象講座かどうかを確認してください。

離職理由別・受給開始までの日数一覧

ここまでの内容を、受給開始までの流れとして一覧にまとめます。

離職理由・条件待期期間給付制限支給対象開始までの目安
会社都合・特定理由離職者7日間なし約7日
自己都合(教育訓練の受講あり)7日間なし約7日
自己都合(一般)7日間1か月約1か月と7日
5年以内に自己都合離職3回以上7日間3か月約3か月と7日

※ここでの日数は支給の対象期間に入るまでの目安であり、実際の振込日ではありません。振込までの流れは記事後半で解説します。

失業保険の待機期間中にやるべきこと

待期期間の7日間は「何もせずに待つ期間」ではありません。むしろ、この7日間の動き方で、その後の受給がスムーズになるかどうかが決まります。私自身も離職を経験しましたが、最初の1週間で手続きをまとめて片づけておくと、その後の精神的な余裕がまったく違いました。

雇用保険受給説明会の日程を確認する

受給資格が決定すると、雇用保険受給説明会(初回説明会)の日時が指定されます。多くのハローワークでは、待期期間の満了前後に設定されます。

この説明会では、受給資格者証の交付、失業認定申告書の書き方、認定日の案内、不正受給の注意点などが説明されます。参加は原則必須で、欠席すると初回認定日や支給が遅れる可能性があります。指定された日時に都合がつかない場合は、放置せず早めにハローワークへ連絡し、日程を調整してもらいましょう。

なお、ハローワークによってはオンラインでの受講に対応している場合もあります。案内された方法に従って確実に受講してください。

求職活動実績づくりを早めに始める

失業保険を受け取るには、認定対象期間ごとに決められた回数の求職活動実績が必要です。回数は状況によって異なりますが、初回認定日までに1回以上、給付制限がある場合はその後の認定日までに複数回求められるのが一般的です。

ここで多くの人がつまずくのが「気づいたら認定日が近づいていて、実績が足りない」というパターンです。待期期間中から動き出しておけば、この焦りを避けられます。

求職活動実績として認められる主な活動

  • ハローワークでの職業相談、職業紹介
  • ハローワークが実施するセミナー、講習の受講
  • 求人への応募(インターネット応募を含む)
  • 民間の職業紹介事業者(転職エージェント)への相談、紹介
  • 再就職に資する国家試験や検定の受験

一方で、求人情報を眺めただけ、転職サイトに登録しただけ、といった行動は実績として認められません。「応募」や「相談」といった具体的なアクションが必要です。

転職サイトからの応募は待機期間中に準備しておく

もっとも手間が少ない実績づくりが、転職サイト経由での求人応募です。応募は1件で1回分の実績としてカウントされるため、平日にハローワークへ足を運ぶのが難しい方でも実績を積めます。

ただし、応募するには職務経歴書やプロフィールの入力が必要で、ここに時間がかかります。待期期間の7日間のうちに登録と職務経歴の入力を済ませておけば、認定日が近づいたときにすぐ応募できる状態を作れます。求人数が多く、スカウト機能で企業側からの接触も期待できるリクナビNEXTのような大手サイトを1つ用意しておくと、実績づくりと本命の転職活動を同時に進められます。

私は採用責任者として書類選考する側にも立ってきましたが、職務経歴書は一度作り込んでおけば使い回しが効きます。時間に余裕のある待期期間中こそ、丁寧に作るタイミングです。

国民健康保険・年金の切り替えを終える

退職後の健康保険と年金の手続きは、原則として退職日の翌日から14日以内に行う必要があります。待期期間とほぼ同じタイミングで期限が来るため、まとめて片づけてしまいましょう。

手続き窓口期限の目安
国民健康保険への加入市区町村役場退職日の翌日から14日以内
健康保険の任意継続加入していた健康保険組合、協会けんぽ退職日の翌日から20日以内
国民年金第1号被保険者への種別変更市区町村役場退職日の翌日から14日以内

国民健康保険料は前年の所得をもとに算定されるため、離職直後は負担が重く感じられます。会社都合退職や特定理由離職者に該当する場合は、保険料が軽減される制度が用意されています。手続きには雇用保険受給資格者証などが必要になるため、受給資格が決定したら早めに役場の窓口へ相談してください。

また、収入の減少により国民年金保険料の納付が難しい場合は、免除や納付猶予の申請ができます。未納のまま放置すると将来の年金額に影響するため、申請だけは必ず行っておきましょう。

失業認定申告書の書き方を把握しておく

失業認定申告書は、認定対象期間中の求職活動や就労状況を申告する書類です。記載内容に誤りがあると、支給が保留されたり、不正受給を疑われたりする原因になります。

とくに注意したいのが、就労の申告欄です。アルバイトやボランティアを行った日は、1日4時間以上なら「〇」、4時間未満なら「×」といった形で記入します。待期期間中に働いた場合も申告が必要です。「短時間だから」「無給だから」と省略してしまうと、後から発覚した際に不正受給として扱われるおそれがあります。

説明会で配布される記入例をよく読み、活動した日付や相談先の名称、応募した企業名などを手元にメモしておくと、認定日当日に慌てずに済みます。

待機期間中のアルバイトは可能?知らないと損する注意点

待期期間についての質問でもっとも多いのが、アルバイトの可否です。結論から言えば、待期期間中のアルバイトは制度上禁止されているわけではありませんが、実質的におすすめできません。理由を順に見ていきます。

働いた日は待機期間にカウントされない

待期期間は「失業の状態にある日が通算して7日」に達するまで続きます。働いた日は失業状態と認められないため、その日はカウントされず、待期の満了日が後ろにずれます。

3日間働けば満了日は3日遅れ、初回認定日も、その後の振込日も連動して遅れます。目先の数万円のために、受給開始が1週間近く遅れるのは合理的とは言えません。生活費が不安なら、待期期間の7日間を働かずに乗り切り、給付制限期間中や受給期間中に条件を守って働くほうが、トータルでは手元に残るお金が多くなります。

1日4時間以上か未満かで扱いが変わる

雇用保険では、1日の労働時間が4時間以上か未満かで扱いが分かれます。

労働時間扱い受給への影響(受給期間中の場合)
1日4時間以上就労その日の分の基本手当が先送りされる
1日4時間未満内職・手伝い収入額に応じて減額される場合がある

4時間ちょうどは「4時間以上」に含まれます。なお、4時間以上働いた日の手当は消滅するわけではなく、受給期間内であれば後ろに繰り越されます。総額が減るわけではない点は覚えておくとよいでしょう。

ただし、これはあくまで待期期間の満了後、受給期間中の取り扱いです。待期期間中については、時間の長短にかかわらず、その日が失業状態と認められない可能性があります。判断はハローワークが行うため、「4時間未満なら大丈夫」と自己判断するのは避けてください。

週20時間以上・31日以上の契約は「就職」扱いになる

労働時間が週20時間以上、かつ31日以上の雇用が見込まれる契約を結ぶと、雇用保険の加入対象となり「就職した」と判断されます。この場合は基本手当の対象から外れます。短期・短時間の契約に留めることが、受給を続ける前提条件です。

給付制限期間中は条件を守れば働ける

待期期間さえ満了していれば、給付制限期間中のアルバイトは可能です。給付制限期間中は基本手当が支給されないため、収入があっても手当が減額されることはありません。生活費を確保するなら、この期間を活用するのが現実的です。ただし、就職とみなされる働き方は避け、認定日には必ず申告してください。

申告しないと不正受給とみなされる

働いた事実を申告しないまま基本手当を受け取ると、不正受給に該当します。ペナルティは想像以上に重く、以下のような処分が科されます。

  • 不正が発覚した日以降の給付停止
  • 不正に受給した額の全額返還
  • 返還額に加えて、不正受給額の2倍相当の納付命令(いわゆる3倍返し)
  • 悪質な場合は詐欺罪として刑事告発

「少額だからわからないだろう」と考える人がいますが、事業所からの雇用保険関連の届出や、周囲からの通報など、発覚の経路は複数あります。ボランティアや家業の手伝いも申告対象です。迷ったら申告する、が原則です。

待機期間中に就職が決まった場合の扱い

待期期間中に転職先が決まること自体は問題ありません。むしろ本来の目的である再就職が達成されたことになります。ただし、手当の扱いには注意点があります。

再就職手当の対象外になるケース

再就職手当は、早期に再就職した人に支給される一時金です。受給するには、7日間の待期期間が満了したあとに就職または事業を開始していることが要件の1つになっています。

つまり、待期期間が満了する前に就職日を迎えてしまうと、再就職手当の対象外です。内定のタイミングは自由ですが、入社日を待期満了後に設定できるなら、そのほうが有利になる可能性があります。

また、自己都合退職で給付制限がある場合、給付制限期間の最初の1か月間については、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介による就職でなければ再就職手当の対象になりません。転職サイトから直接応募して決まった場合は対象外となることがあるため、入社日と応募経路の両方を意識しておきましょう。

再就職手当にはこのほか、支給残日数が所定給付日数の3分の1以上残っていること、1年を超えて勤務することが確実であることなどの要件があります。詳細は就職が決まった時点でハローワークに確認してください。

待機期間後、失業保険はいつ振り込まれる?

待期期間が満了しても、その翌日に入金があるわけではありません。実際にお金が振り込まれるまでの流れを、離職理由ごとに整理します。

会社都合は待機満了から約1か月後が目安

会社都合退職や特定理由離職者の場合、待期満了の翌日から支給対象期間に入ります。ただし、失業の認定は原則4週間に1度の認定日に行われ、認定を受けてから振込という順序になります。

流れは次のとおりです。

  1. 受給資格決定(待期期間の開始)
  2. 7日間の待期期間が満了
  3. 雇用保険受給説明会を受講
  4. 初回認定日にハローワークへ行き、失業の認定を受ける
  5. 認定日からおおむね1週間程度で指定口座に振込

初回認定日は、受給資格決定日から約4週間後に設定されるのが一般的です。振込までを合計すると、手続きの日から1か月強で最初の入金がある計算になります。

自己都合は給付制限明けの認定日以降

自己都合退職で1か月の給付制限がある場合は、待期期間7日間と給付制限1か月を経てから支給対象期間に入ります。

初回認定日は待期満了後に設定されますが、この時点ではまだ給付制限期間中のため、認定を受けても支給はありません。実際の振込は、給付制限が明けたあとの認定日を経てからになります。手続きの日を起点にすると、最初の入金までおおよそ1か月半から2か月程度を見込んでおくと安心です。

この期間をどう乗り切るかは、離職前から準備しておきたいポイントです。退職日を決められる立場なら、逆算して当面の生活費を確保しておくことをおすすめします。

初回の振込額は28日分より少なくなる

失業保険は4週間ごとに認定を行うため、通常は28日分がまとめて振り込まれます。しかし初回だけは、待期期間や給付制限期間の日数が差し引かれるため、28日分より少なくなるのが一般的です。

たとえば会社都合退職で、受給資格決定日から28日後が初回認定日の場合、最初の7日間は待期期間なので支給対象外です。その結果、初回の支給は21日分程度になります。

「思っていたより少ない」と焦る方がいますが、これは減額されたわけではなく、支給対象日数が少ないだけです。2回目以降は原則28日分が支給されます。

振込が遅れるときに確認すべきポイント

認定日から1週間以上経っても入金がない場合は、次の点を確認してください。

認定日の翌営業日から起算されているか

認定日が金曜日や連休前だった場合、金融機関の営業日の関係で入金が後ろにずれることがあります。まずは数営業日待ってみましょう。

求職活動実績が足りていたか

認定対象期間中の求職活動実績が規定回数に達していないと、その期間分の認定が下りません。この場合、支給は次回以降に持ち越しになります。認定日に窓口で指摘されるはずですが、心当たりがあれば確認を。

口座情報の登録に誤りがないか

口座番号や名義の誤りで振込が戻ってくるケースもあります。旧姓の口座を登録していた、といったミスも起こりがちです。

提出書類に不備がなかったか

失業認定申告書の記載漏れや、必要書類の未提出があると、処理が保留されます。

いずれの場合も、管轄のハローワークに受給資格者証を用意して問い合わせれば、状況をすぐに確認してもらえます。原因がわからないまま待ち続けるより、電話1本で解決するケースがほとんどです。

まとめ:待機期間7日間の仕組みを理解し失業保険をスムーズに受け取ろう

失業保険の待機期間について、あらためて要点を整理します。

  • 待機期間(正式には待期期間)は、離職理由に関係なく全員一律で7日間
  • カウントの起算日は退職日ではなく、ハローワークで受給資格が決定した日
  • 土日祝も含めて通算7日。働いた日はカウントされず満了日が後ろにずれる
  • 待期期間の後に、自己都合退職なら原則1か月の給付制限期間が加わる
  • 会社都合や特定理由離職者、教育訓練の受講者には給付制限がない
  • 待期期間中のアルバイトは受給開始を遅らせるため避けるのが賢明
  • 初回の振込は認定日からおおむね1週間程度。初回は28日分より少なくなる

受給開始を1日でも早めたいなら、やるべきことは明確です。離職票を早く受け取り、すぐにハローワークで手続きをし、待期期間の7日間は働かない。この3つを守るだけで、受給開始日は大きく変わります。

そして、待期期間の7日間をただ待つ時間にしないことも重要です。求職活動実績は認定のたびに必要になり、後回しにするほど負担が増えます。職務経歴書を整え、応募できる状態を作っておけば、認定日の直前に慌てることがなくなります。求人数が多く自宅から応募まで完結できるリクナビNEXTのような転職サイトに登録しておけば、実績づくりと本命の転職活動を同時に進められます。

失業保険はあくまで、次の仕事が決まるまでの生活を支える制度です。私自身、会社員からフリーランス、そして経営者へとキャリアを変えてきましたが、離職期間中に焦って条件の合わない転職先を選ぶと、結局また短期間で辞めることになりかねません。制度を正しく使って生活基盤を確保しつつ、納得できる次の一歩を選んでください。

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この記事を書いた人

木本旭洋のアバター 木本旭洋 株式会社イールドマーケティング代表取締役

株式会社イールドマーケティング代表。大手広告代理店でアカウントプランナー、スタートアップで広告部門のマネージャーを経験後、2022年に当社を創業。AI/Webマーケティング支援を得意としている。会社員(大手とスタートアップ)/フリーランス/経営者/採用責任者すべて経験しておりキャリア情報も発信。

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