Salesforce認定上級アドミニストレーターの資格取得を目指す方にとって、どの問題集や過去問を選ぶかは合否を左右する重要なポイントです。出題範囲が広く、実務に直結する応用力も求められる本試験では、最新の出題傾向や実践的な設問に対応した問題集が学習効率を高めてくれます。本記事では、信頼性や解説の質、実務力が身につくことに注目しながら、おすすめの問題集や過去問を厳選してご紹介します。学習方法に悩んでいる方や自分に合う教材を探している方は、ぜひ参考にしてください。
Salesforce認定上級アドミニストレーターとは?
Salesforce認定上級アドミニストレーターは、基本的なアドミニストレーター資格の上位に位置づけられる、より高度なスキルと深い知識を証明するための資格です。すでにSalesforce認定アドミニストレーター資格を持つ、経験豊富なシステム管理者を対象としています。
この資格では、Salesforceの標準機能に関する深い理解に加え、複雑なビジネス要件に対応するための応用力が問われます。具体的には、結合レポートやカスタムレポートタイプを用いた高度なレポーティング、承認プロセスや複雑なフローの設計、テリトリー管理や高度な共有設定といったセキュリティモデルの構築、データ品質の管理など、より実践的で高度なカスタマイズ能力が求められます。
試験の概要(種類、試験時間、費用、有効期限)
項目 | 内容 |
---|---|
試験形式 | 多肢選択式・複数選択式(全60問) |
試験時間 | 105分 |
合格基準 | 正答率65%以上(39問以上正解) |
受験料 | 30,000円(税抜) |
有効期限 | 1年ごとに更新が必要 |
受験資格 | Salesforce認定アドミニストレーター 保有 |
受験方法 | オンラインまたはテストセンター |
試験言語 | 日本語を含む複数言語に対応 |
Salesforce認定上級アドミニストレーター試験は、Salesforce管理者としてより高度な設定や自動化機能を習得していることを証明する上級資格です。全60問の多肢選択式・複数選択式問題に105分で解答し、65%以上の正答率で合格となります。出題内容は標準的な管理業務に加え、Sales CloudやService Cloudなどの応用力、複雑な自動化や高度なセキュリティ設定まで幅広く問われるのが特徴です。
受験には「Salesforce認定アドミニストレーター」資格の取得が必須となっており、実務経験が1年以上あることが推奨されています。試験はオンラインまたは指定テストセンターで随時受験可能で、受験料は30,000円(税抜)です。また、資格の有効期限は1年で、毎年Trailheadの更新モジュールを完了する必要があります。これにより、最新の機能やリリースに常に対応した知識を維持し続けることが求められます。管理領域を拡大しステップアップしたい管理者や、より包括的な運用スキルを証明したい方に最適な資格といえます。
アドミニストレーターとの違い
この2つの資格の最も大きな違いは、求められる知識のレベルと役割にあります。
- Salesforce認定アドミニストレーター: Salesforceを運用管理するための基礎知識が問われる、いわば「登竜門」となる資格です。ユーザー管理や基本的なカスタマイズなど、日々の運用をスムーズに行うためのスキルを証明します。
- Salesforce認定上級アドミニストレーター: 認定アドミニストレーターが持つ基礎知識に加え、より複雑なビジネス課題を解決するための応用力や高度な機能の知識が問われる上位資格です。この資格の受験には、まず「Salesforce認定アドミニストレーター」の資格を取得している必要があります。
例えるなら、アドミニストレーターが「かかりつけ医」なら、上級アドミニストレーターは「総合病院の専門医」のようなイメージです。
試験範囲と求められるスキルの違い
両者の違いが最も明確に表れるのが試験範囲です。上級アドミニストレーターは、アドミニストレーターの範囲をさらに深く掘り下げ、新たなトピックが追加されます。
以下に主な違いをまとめました。
分野 | Salesforce認定アドミニストレーター | Salesforce認定上級アドミニストレーター |
位置づけ | Salesforce管理の基礎 | Salesforce管理の応用・専門 |
前提資格 | なし | 認定アドミニストレーター資格が必須 |
セキュリティと アクセス | ・プロファイルと権限セット ・共有ルール ・ロール階層 | 【より高度な内容】 ・テリトリー管理 ・高度な共有設定(暗黙的な共有など) ・エンタープライズレベルでの複雑なアクセス権管理 |
プロセスの 自動化 | ・フローの基本的な作成 ・承認プロセス ・ワークフロールール | 【より高度な内容】 ・複雑なビジネスロジックを実装するフロー ・数式や変数を用いた高度な自動化設計 |
分析 (レポートとダッシュボード) | ・標準的なレポートとダッシュボードの作成 | 【より高度な内容】 ・結合レポート ・カスタムレポートタイプ ・レポートスナップショット ・バケット項目、クロス条件など高度な機能の活用 |
データ管理 | ・データローダの基本操作 ・データのインポート/エクスポート | 【より高度な内容】 ・データ品質やデータガバナンスの維持戦略 ・データのアーカイブ戦略 |
Sales/Service Cloud | ・各機能の基本的な理解 | 【より高度な内容】 ・商品、価格表、見積、注文の管理 ・Salesforceナレッジの管理 |
スキルの違いを具体的に言うと…
- アドミニストレーターでは、「レポートを作成できる」「ユーザーに権限を割り当てられる」といった、個々の機能を知っているかが問われます。
- 上級アドミニストレーターでは、「営業部門とサービス部門で異なる情報を見せつつ、特定条件下でのみマネージャーにレコードの編集を許可するには、どの機能をどう組み合わせるのが最適か?」といった、複数の機能を組み合わせて複雑なビジネス要件を解決するシナリオ問題が多くなります。知識だけでなく、それを応用する「問題解決能力」と「ベストプラクティスの理解」が強く求められるのが特徴です。
Salesforce認定上級アドミニストレーターの問題集の選び方
1. 最新の内容と問題傾向に対応しているか
問題集を選ぶ上で最も重要なのが、その内容が最新であるかという点です。Salesforceは年に3回(Spring, Summer, Winter)のメジャーアップデートにより、機能の追加や改善が絶えず行われています。当然、認定試験の内容もこのアップデートを反映して更新されていきます。
古い問題集を利用してしまうと、現在は非推奨となった機能の学習に時間を費やしてしまったり、逆に試験で問われる最新の重要機能が抜け落ちていたりするリスクがあります。特に上級アドミニストレーター試験で問われるフローや権限管理の高度な設定は、アップデートの影響を受けやすい分野です。
そのため、問題集を選ぶ際は必ず「25対応」のように最新のリリースバージョンへの言及があるか、最終更新日はいつかを確認しましょう。これが効率的な試験対策と合格への第一歩となります。
2. 解説が丁寧で理解につながるか
Salesforce認定上級アドミニストレーター試験に合格するためには、ただ正解を丸暗記するのではなく、各設問の意図や背景をしっかり理解することが不可欠です。
そのため、解説が充実している問題集を選ぶことが重要です。具体的には、なぜその選択肢が正しいのか、他の選択肢がなぜ不正解となるのかについて、理由や関連する知識、業務での実践例まで詳しく記載されているものが理想的です。こうした問題集は、独学でも納得しながら学習を進めやすく、分からない箇所をそのままにせずに理解を深められます。さらに、公式ドキュメントや最新機能とのつながりにも言及している解説であれば、応用力も養うことができます。丁寧な解説を通じて本質的な知識が身につけば、試験だけでなく、実務にもすぐ役立つ知識を習得できます。
3. 実践的なアウトプットができるか
Salesforce認定上級アドミニストレーターの試験対策において、実践的なアウトプットを重視した問題集を選ぶことは非常に効果的です。なぜなら、本試験では知識を問うだけでなく、実際の業務や運用シーンを想定した応用力も求められるためです。
そのため、多肢選択問題だけでなく、シナリオベースの演習や実務に近いケーススタディが含まれている問題集は、実践での活用イメージを持ちやすくなります。また、模擬試験や段階的な確認テストが充実しているものは、自分の理解度や弱点をその場で確認し、繰り返し解くことで知識の定着を図ることができます。さらに、解答後に解説と合わせて振り返りのワークシートやチェックリストが付いていると、学習内容を業務へどのように活かすかまで意識できるため、試験対策とスキルアップを同時に実現できます。
こうした問題集を活用することで、知識の暗記だけでなく、実際の管理業務や課題解決に役立つ応用力が自然に身につくでしょう。
Salesforce認定上級アドミニストレーターのおすすめ問題集・過去問
Salesforce認定上級アドミニストレーター100題 問題集全問解答+全問解説付き(2025年)

この問題集は、実際のSalesforce認定上級アドミニストレーター試験の過去問100題を収録し、それぞれの問題に詳細な解答・解説が付いている点が大きな特徴です。問題は最新の2025年版に対応しており、出題傾向や機能改訂に沿った内容となっているため、受験予定者にとって実践的な力を身につけられる教材です。
計100題の設問には、管理者業務で必要とされるレコード共有やアクセス制御、データ品質向上、宣言的な自動化の設計など、上級アドミンならではの判断力やスキルを問う多彩なテーマが扱われています。各問題には、単なる正解だけでなくその理由や他の選択肢がなぜ不適切かまで丁寧に解説されているため、知識の整理や弱点補強がしやすい構成です。
また、現場経験にもとづいたシナリオや最新のベストプラクティスも多く盛り込まれているため、合格だけでなく実務でも役立つ知識が身につきます。問題を繰り返し解き復習することで、合格への自信をより確実なものにできるでしょう。
Salesforce認定上級アドミニストレーター100題 過去問+模擬問題集 全問解答解説付き(即わかる) 2025年版

この問題集は、2025年版Salesforce認定上級アドミニストレーター試験に対応した過去問と模擬問題が合計100題収録されているのが特徴です。全ての設問に詳しい解答と解説がついており、正解と不正解の選択肢それぞれについて理由が丁寧に記載されています。初心者でもわかりやすい説明を意識しており、共有モデルの詳細設定やカスタムオブジェクト間の複雑な関係性、高度なプロセス自動化など、上級管理者として求められるスキルや判断力を問う内容が多く扱われています。
模擬試験形式の問題も含まれているため、実際の試験と同様の形式で自分の実力を確認できます。何度も繰り返し解くことで知識の定着や弱点の補強に役立ち、合格に向けた実力を効果的に養うことができます。さらに、細やかな解説を通じて実務に活かせる知識も身につき、体系的な理解や応用力のアップにも貢献する教材です。
公式問題集
Salesforce認定上級アドミニストレーター試験の公式問題集は、Salesforceが公式に提供する学習コンテンツやサンプル問題をもとに構成されています。これらの問題集は最新の試験範囲を網羅しており、実際の試験と同じ形式の設問に慣れることができます。代表的なコンテンツとしては、「Administrator Practice Test」やTrailmixといったオンライン練習問題があり、試験範囲ごとの理解度チェックや出題傾向の把握に役立ちます。
公式問題集の特徴は、単なる知識の羅列ではなく、各テーマごとに必要な操作や設定方法、現場で想定されるシナリオをもとにした実践的な問題が多く含まれている点です。設定やセキュリティ制御、オブジェクトの管理など、幅広い分野に対応しており、画像や説明付きで解説がされているものもあります。また、サンプル問題を通じて自分の理解が不十分な箇所を把握しやすく、繰り返し演習することで合格までの学習効率を高めることができます。
注意点として、公式問題集に収録されているサンプル問題はあくまで出題形式やテーマの一例のため、これらを完璧に覚えるだけでは不十分です。出題傾向の確認や実践力の習得の土台として活用し、不明点は公式ドキュメントや他の解説コンテンツと併用して学習を進めることが推奨されます。このように、公式問題集は基礎を固めるうえで非常に信頼性が高く、自己学習を効果的にサポートしてくれる教材となっています。
まとめ:上級アドミニストレーター資格で、市場価値を次のレベルへ
本記事では、難関とされるSalesforce認定上級アドミニストレーター試験の合格に向け、効果的な学習法と過去問に代わる問題集の選び方を解説しました。この資格の鍵は、単一機能の暗記ではなく、複数の機能をどう組み合わせれば複雑なビジネス課題を最適に解決できるかという「応用力」と「問題解決能力」にあります。
基礎となるアドミニストレーターの知識を土台に、Trailheadで高度な概念を学び、そして必ずDeveloper環境で実際に手を動かして検証する。このサイクルを回した上で、質の高い最新の問題集に挑戦することが、シナリオ問題への対応力を養い、合格を確実なものにします。
上級アドミニストレーター資格は、あなたの専門性の高さを客観的に証明する、キャリアにおける極めて強力な差別化要因となります。この価値ある資格を手にし、Salesforceエキスパートとして、より大きな舞台で活躍されることを心から応援しています。