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職務経歴書の各フォーマットの特徴
①逆編年体式:直近の職歴から書く(一般的)
最も広く使われているフォーマットです。直近の職歴を最初に記載し、過去に遡る形で経歴を書いていきます。採用担当者が「現在に近い経験」から読み始められるため、転職回数が少なく、キャリアが一貫している方に特に適しています。中途採用の場面では標準的な形式として認識されており、業界・職種を問わず幅広く活用できます。迷った場合はまずこの形式を選ぶとよいでしょう。
逆編年体式が向いている人:
- 直近1〜2社に採用要件へ直結する業務や実績がある人
- 最新の技術での成果が評価されやすい職種
②編年体式:過去の経歴から現在を書く
時系列の古い順に職歴を記載していくフォーマットです。経歴の流れや成長の過程が自然に伝わるため、キャリアに一貫したストーリーがある方や、段階的にスキルを積み上げてきた方に向いています。ただし、採用担当者が最も注目する「直近の経験」にたどり着くまでに時間がかかるというデメリットもあります。応募先から指定がある場合や、キャリアの積み重ねを強調したい場合に有効です。
編年体式が向いている人:
- 20代前半などキャリアの浅い人
- 同一領域・同一業務での継続的な経験をアピールしたい人
③キャリア式:業務や職種の種類ごとにまとめて書く
職歴を時系列ではなく、業務内容や職種のカテゴリごとにまとめて記載するフォーマットです。複数の会社で似た業務を担当してきた方や、異なる企業でも共通するスキルや実績をアピールしたい方に適しています。応募職種に関連する経験を前面に出せるため、キャリアチェンジや業種・職種を絞った転職活動において特に効果を発揮します。一方、在籍期間や経歴の流れが見えにくくなる点には注意が必要です。
キャリア式が向いている人:
- 重点的にアピールしたい職種や経験が複数の会社や部署にまたがる人
- 転職回数が多く、色んな職種経験がある人
- 社会人経験が長く、色んな職種経験がある人
④スキルシート式:プロジェクト単位で書く
携わったプロジェクトごとに、期間・規模・担当役割・使用技術・成果などを詳細に記載するフォーマットです。ITエンジニアやデザイナー、コンサルタントなど、プロジェクト単位で業務が完結する職種において広く使われています。採用担当者が「どのような案件に、どのような形で関わったか」を具体的に把握しやすいのが大きな特徴です。技術スタックや実績を可視化しやすく、即戦力としてのアピールに優れています。
スキルシート式が向いている人:
- 専門性の高い職種の人
- プロジェクト単位で成果を明確に示したい人
ネットワークエンジニアの職務経歴書の書き方・例文


① 年月日(提出日)と氏名
例文
令和7年4月1日 松田 涼介
書き方のポイント
年月日は職務経歴書を提出する日付を記入します。西暦・和暦どちらでも構いませんが、履歴書と表記を統一することがマナーです。氏名はフルネームで記載し、読み間違えられやすい漢字がある場合はふりがなを添えると丁寧な印象を与えます。
② 職務要約(職務概要)
例文
私はこれまで10年間、SIerおよびネットワーク専門会社においてネットワークエンジニアとして従事してまいりました。企業向けLAN/WANの設計・構築・運用保守を中心に、Cisco・Juniper製機器を用いたルーティング・スイッチング・ファイアウォールの構築経験が豊富です。直近ではクラウド移行プロジェクトにも携わり、AWS・Azure上でのネットワーク設計・VPN構築・セキュリティグループの設定を担当しました。大規模案件(拠点数50拠点以上・エンドユーザー1,000名規模)のPM補佐経験もあり、要件定義から運用引き渡しまでの一貫した対応が強みです。貴社においても、オンプレミスからクラウドまで幅広いネットワーク構築・運用の経験を活かし、安定したインフラ基盤の実現に貢献したいと考えております。
書き方のポイント
職務要約は採用担当者が最初に目を通すセクションです。「勤続年数・業務領域・扱ってきた機器ベンダー・規模感・強み」を3〜5文程度でまとめましょう。ネットワークエンジニアの場合、扱ってきた機器ベンダー(Cisco・Juniper・Fortinetなど)・対応フェーズ(設計・構築・運用保守)・プロジェクトの規模感(拠点数・ユーザー数)を盛り込むと即戦力としての印象が強まります。クラウドネットワークの経験がある場合は積極的に記載しましょう。
③ 活かせる経験・知識・スキル
例文
【経験】 ・企業向けLAN/WAN設計・構築・運用保守(10年間) ・Cisco製品(Catalyst・ASR・ISR・ASA)を用いたルーティング・スイッチング・ファイアウォール構築 ・Juniper製品(SRX・EX・MX)を用いたネットワーク構築・運用 ・拠点数50拠点以上・エンドユーザー1,000名規模のネットワーク更改プロジェクトのPM補佐 ・AWS・AzureにおけるVPC・VNet設計・VPN構築・セキュリティグループ設定 ・ネットワーク監視ツール(Zabbix・PRTG・SolarWinds)の導入・運用 ・障害対応・原因調査・恒久対策の立案・実施
【知識】 ・TCP/IP・OSI参照モデルの深い理解 ・ルーティングプロトコル(OSPF・BGP・EIGRP・RIP)の設計・運用知識 ・スイッチング技術(VLAN・STP・RSTP・LACP・QoS) ・セキュリティ技術(VPN・IPsec・SSL-VPN・ファイアウォールポリシー設計) ・クラウドネットワーキング(AWS VPC・Azure VNet・Direct Connect・ExpressRoute) ・SDN・SD-WAN(Cisco Meraki・Viptela)の基礎〜応用知識
【スキル】 ・ネットワーク構成図・詳細設計書・手順書・試験成績書の作成 ・Cisco IOSおよびJunos OSのCLI操作・コンフィグ設定 ・パケットキャプチャツール(Wireshark)を用いたトラフィック解析・障害調査 ・Python・Ansibleを用いたネットワーク機器のコンフィグ自動化(基礎〜中級) ・お客様・社内メンバーへの技術説明・提案・進行管理
書き方のポイント
「経験・知識・スキル」の3カテゴリに分けて箇条書きにすることで、採用担当者がスペックを一目で把握できます。ネットワークエンジニアの場合、扱える機器・ベンダー・プロトコル・クラウドサービスの名称を具体的に記載することが特に重要です。自動化ツール(Python・Ansible)やSDN・SD-WANの経験があれば積極的に記載し、従来のネットワーク技術にとどまらないスキルセットをアピールしましょう。
④ 会社(勤務先)概要
例文
社名: 株式会社〇〇ネットワークソリューションズ 業種: 情報通信・ネットワークインテグレーション 事業内容: 企業向けネットワーク設計・構築・運用保守・クラウド移行支援 資本金: 1億円 従業員数: 220名 主要取引先: 金融・製造・流通業界の大手企業を中心に約60社 売上高: 約35億円(2024年3月期) 勤務期間: 2015年4月 〜 現在
書き方のポイント
会社概要では、事業内容・主要取引先の業界・従業員数・売上規模を記載することで、どのような規模・難易度のプロジェクトを経験してきたかが採用担当者に伝わります。SIer・ネットワーク専門会社・通信キャリア・ユーザー企業の社内SEなど、自社の立ち位置を明確にすることも重要です。複数社での勤務経験がある場合は、直近から逆順に記載するのが基本です。
⑤ 職務経歴
例文
2015年4月 〜 2019年3月 株式会社〇〇システムズ ネットワークエンジニア
<担当業務>
■ 企業向けLAN/WAN構築・運用保守(2015年4月 〜 2019年3月) ・製造業・流通業クライアントの社内LAN(有線・無線)の設計・構築・試験・導入 ・Cisco Catalystシリーズを用いたスイッチング設計(VLAN・STP・LACP・QoS) ・Cisco ISR・ASRを用いたルーティング設計(OSPF・BGP) ・Cisco ASA・Fortigate を用いたファイアウォールポリシー設計・構築 ・拠点間VPN(IPsec・SSL-VPN)の設計・構築・テスト ・ネットワーク運用保守(月次定期点検・障害一次対応・エスカレーション管理) ・構成図・詳細設計書・手順書・試験成績書の作成
2019年4月 〜 現在 株式会社〇〇ネットワークソリューションズ シニアネットワークエンジニア
<担当業務>
■ 大規模ネットワーク更改プロジェクト(2019年4月 〜 2021年3月) ・金融業クライアントの全国50拠点・エンドユーザー1,200名規模のネットワーク更改プロジェクトに参画 ・PM補佐として要件定義・基本設計・詳細設計・構築・試験・移行・運用引き渡しの全フェーズを担当 ・Cisco Meraki(SD-WAN)を用いた拠点間WAN設計・集中管理環境の構築 ・プロジェクト進捗管理・週次報告会の資料作成・顧客への説明・課題管理
■ クラウドネットワーク設計・構築(2021年4月 〜 現在) ・製造業クライアントのオンプレミスからAWS・Azureへの移行プロジェクトにネットワーク担当として参画 ・AWS VPC設計(サブネット・ルートテーブル・セキュリティグループ・NACLの設計) ・AWS Direct Connect・Azure ExpressRouteを用いた専用線接続の設計・構築 ・AzureとオンプレミスADとのハイブリッドID環境でのネットワーク設計 ・IaC(Terraform)を用いたネットワークリソースのコード化・管理(基礎)
■ ネットワーク自動化・効率化(2022年10月 〜 現在) ・Pythonを用いたネットワーク機器のコンフィグ収集・差分確認スクリプトの作成 ・Ansibleを用いた複数拠点へのコンフィグ一括適用の自動化(対象機器:50台) ・Zabbixを用いたネットワーク監視環境の設計・構築・アラート設定
<実績> ・50拠点更改プロジェクトを予算内・工期内で完遂(顧客満足度調査:5点満点中4.8点) ・Ansibleによるコンフィグ自動化により、拠点展開作業の工数を1拠点あたり4時間から45分に短縮 ・障害対応プロセスの見直しにより、平均障害復旧時間(MTTR)を従来比40%削減 ・クラウド移行後のネットワーク通信コストを月額約120万円から80万円に削減
書き方のポイント
職務経歴は職務経歴書の中で最も重要なセクションです。担当業務を「LAN/WAN構築・クラウドネットワーク・自動化」などフェーズや領域ごとに分けて記載すると、スキルの幅と深さが伝わりやすくなります。プロジェクトの規模感(拠点数・ユーザー数・予算規模)と自分の役割(設計担当・PM補佐など)を明確に記載することが重要です。実績は「工数削減率」「MTTR削減率」「コスト削減額」など数字で示すと、採用担当者への説得力が大きく増します。
⑥ 資格・特技など
例文
【資格】 ・CCNP Enterprise(Cisco認定ネットワークプロフェッショナル) 2020年6月取得 ・CCNA(Cisco認定ネットワークアソシエイト) 2016年9月取得 ・AWS認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト 2022年3月取得 ・ネットワークスペシャリスト試験(IPA) 2021年10月取得 ・普通自動車第一種運転免許 2012年3月取得
【特技・その他】 ・Cisco IOS・Junos OSのCLI操作・コンフィグ設計(実務10年レベル) ・PythonによるNetmiko・Nornirを用いたネットワーク自動化スクリプト作成 ・Wiresharkを用いたパケット解析・障害切り分け ・Terraform・Ansibleを用いたIaC・構成管理(基礎〜中級) ・技術ブログの運営(ネットワーク・クラウド関連記事を月2〜3本執筆)
書き方のポイント
ネットワークエンジニアの場合、CCNAやCCNP・ネットワークスペシャリストなどのベンダー資格・ベンダーニュートラル資格が特に評価されます。クラウド関連資格(AWS・Azure・GCP)を保有している場合は必ず記載しましょう。資格はすべて取得年月とともに記載し、現在取得を目指している資格は「〇〇取得に向けて勉強中」と添えることで向上心をアピールできます。技術ブログやOSSへの貢献活動がある場合も、専門性と学習意欲の証明になるため積極的に記載しましょう。
⑦ 自己PR
例文
私の強みは「オンプレミスからクラウドまで一気通貫で対応できるネットワーク設計力」と「自動化によってチームの生産性を高める改善志向」です。
ネットワークエンジニアとして10年間、要件定義から運用保守まで全フェーズを経験してきたことで、設計段階から「運用しやすいネットワーク」を意識した提案ができることが私の最大の強みです。直近では50拠点規模のSD-WAN更改プロジェクトをPM補佐として牽引し、予算内・工期内での完遂と顧客満足度4.8点という評価につなげることができました。
また、繰り返しの手作業が多いネットワーク運用業務に課題を感じ、PythonとAnsibleを独学で習得してコンフィグ自動化を実現しました。この取り組みにより、50台分の拠点展開作業を1拠点あたり4時間から45分に短縮し、チーム全体の工数削減と品質の安定化に貢献しました。技術は常に変化するものという認識のもと、クラウドネットワーク・IaC・自動化の分野でも継続的に学習を続けています。
貴社においても、確かなネットワーク技術力と改善志向を武器に、インフラ基盤の安定運用とチームの生産性向上に積極的に貢献してまいります。
書き方のポイント
自己PRは「強み → 具体的なエピソード → 入社後の貢献」の三段構成で書くと伝わりやすくなります。ネットワークエンジニアの自己PRでは、技術的な専門性・障害対応力・プロジェクト推進力・自動化や効率化への意識が特に評価されます。技術力の高さだけでなく「なぜその技術を選んだのか・どんな課題を解決したのか」という思考プロセスを添えることで、主体的に動ける人材としての印象を与えることができます。
よくある質問
Q1. ネットワークエンジニアの職務経歴書にはどのくらいの分量が適切ですか?
A. A4用紙2〜3枚程度が目安です。経験年数が長く複数の大規模プロジェクトを担当してきた場合は3枚になることもありますが、要点を絞って読みやすくまとめることを優先しましょう。担当してきたプロジェクトが多い場合は、直近・大規模・応募先の業務に関連するものを優先し、古い案件や小規模なものは簡潔にまとめる工夫が重要です。
Q2. ネットワークエンジニアの職務経歴書に構成図や設計書のサンプルを添付してよいですか?
A. 前職で作成した実際の構成図・設計書は機密情報にあたるため、そのままの添付は避けるべきです。ただし、プロジェクトの概要・規模感・担当役割を職務経歴書に記載することは問題ありません。自身のスキルを視覚的にアピールしたい場合は、個人的に作成したサンプル構成図や技術ブログのURLを参考として添えることをおすすめします。
Q3. CCNAやCCNPなどの資格がない場合でも転職できますか?
A. 資格がなくても実務経験と実績を丁寧に記載することで十分なアピールが可能です。担当してきたプロジェクトの規模・扱ってきた機器・プロトコル・障害対応の実績などを具体的に記載しましょう。ただし、CCNAやCCNP・ネットワークスペシャリストは客観的な技術力の証明になるため、取得を目指して学習中であれば「現在CCNP取得に向けて勉強中」と記載しておくことで向上心をアピールできます。
Q4. オンプレミスの経験しかない場合、クラウド関連の求人に応募できますか?
A. 応募は十分可能です。オンプレミスでのネットワーク設計・構築経験は、クラウドネットワーク(VPC・VNet・ルーティング・セキュリティ設計)を理解するうえでの強固な土台になります。自己PRや職務経歴書で「オンプレミスの深い知識を持ちながらクラウドへの移行を進めている」という姿勢を示し、個人でAWSやAzureの無料枠を使った検証・学習経験があれば積極的に記載しましょう。
Q5. 運用保守しか経験がない場合、設計・構築案件を扱う会社への転職は難しいですか?
A. 運用保守の経験は設計・構築業務の質を高める重要な素養として評価されます。「日々の運用を通じてネットワークの挙動を深く理解している」という点を強みとして打ち出しましょう。加えて、個人環境での機器検証(GNS3・EVE-NGなどのシミュレーター活用)や、社内での改善提案・手順書整備といった主体的な取り組みがあれば職務経歴書に記載することで、設計・構築への意欲と適性を示すことができます。
Q6. ネットワークエンジニアからクラウドエンジニア・インフラエンジニアに転職する場合、職務経歴書のどの点を強調すべきですか?
A. ネットワーク設計・構築で培ったTCP/IPの深い知識・セキュリティ設計経験・大規模インフラの運用経験は、クラウドエンジニア・インフラエンジニアとして即戦力になる強みです。職務要約と自己PRで「ネットワークの専門知識をクラウドインフラ設計に活かせる」という接点を明確に示したうえで、AWS・Azureの認定資格やIaC・自動化ツールの学習経験を積極的に記載することが転職成功のポイントになります。







