SEO対策や広告運用の現場で幅広く活用されるSemrush(セムラッシュ)は、キーワード分析から競合リサーチ、サイトの最適化まで一括で管理できる人気ツールです。
本記事では、マーケティング支援会社の代表であり、利用者である木本旭洋が、その特徴や機能、
公式サイトで教えてくれない本当の料金プランをわかりやすく解説します。
Semrushを選ぶメリット3つ
Semrush(セムラッシュ)は、主にSEO、検索広告、ディスプレイ広告、SNSの競合分析に利用できるマーケティングツールです。
Semrushの強みは、SEO対策、リスティング広告、ディスプレイ広告、SNSマーケティングなど、デジタルマーケティングのほぼすべての領域をカバーする多機能性にあります。
競合分析ツールには、他にもAhrefs、SimilarWebなどある中で、Semrushにどのような強み/メリットがあるのか、マーケター目線でまとめてみました。
1.検索広告のデータ量が世界最大級
Semrush、Ahrefs、SimilarWebすべて利用経験がありますが、検索広告の競合分析で最も優れているのはSemrushです。
その理由を公式サイトから調べると、
「Semrushは、デジタルマーケティングツールの中でも特に検索広告のデータ量において世界最大級の規模を誇っており、Semrushのデータベースには、全世界で210億以上のキーワードが収録、その中には3.9億もの日本語キーワードも含まれています。」
この膨大なデータ量により、日本語でも幅広い範囲で詳細な検索広告分析を行うことができます。
「Semrushのデータの信頼性は非常に高く、独自のアルゴリズムと機械学習技術を用いて、複数の信頼性の高いデータソースを組み合わせています。これには、サードパーティプロバイダーからのデータや、Semrush自身のクローラーが収集したデータが含まれます。さらに、2億以上のユーザーパネルと1日あたり10億以上のイベントデータを活用し、高精度な検索ボリュームの推定を行っています。」
SEOではAhrefsに軍配が上がりますが、検索広告の分野だと個人的にSemrushがTOPだと思っています。
引用:What is Search Volume in Semrush?
2.検索広告+SEO+SNSすべて分析できる
Semrushは、広告、SEO、SNSの3つの主要な分野をすべて分析できることが、Semrushの大きな特徴となっています。
つまり、複数のツールを契約しなくてもこれだけで賄うことができます。
検索やディスプレイ広告に関して、競合他社の広告戦略を詳細に分析することができます。キーワードごとの入札額、広告のクリエイティブ、ランディングページの内容など、広告キャンペーンの全体像を把握することが可能です。これにより、自社の広告戦略の改善点を見出し、より効果的なキャンペーンを立案することができます。
SEO分析において、キーワードリサーチから競合分析、サイト監査まで幅広い機能を提供しています。オーガニック検索での順位変動やトラフィックの推移、バックリンクの状況など、SEOに関する包括的な情報を得ることができます。これにより、自社サイトのSEO改善点を特定し、効果的な対策を講じることが可能となります。
SNS分析では、競合他社のソーシャルメディア戦略を詳細に把握することができます。投稿内容、エンゲージメント率、フォロワー数の推移など、SNSマーケティングに関する重要な指標を一元的に管理・分析することが可能です。さらに、自社のSNSアカウントの投稿管理やスケジューリング機能も備えており、効率的なSNS運用をサポートします。これらの機能を一つのツールで統合的に利用できることで、チャネル横断的なデジタルマーケティング戦略の立案と実行が可能となります。
3.料金が安い
Semrushの大きな魅力の一つは、そのコストパフォーマンスの高さです。デジタルマーケティングツールとしての機能の豊富さに比べ、料金設定が非常にリーズナブルであることが特徴です。
以下の表は、Semrush、Ahrefs、SimilarWebの料金プランを比較したものです。価格は月額料金で、年間契約の場合の価格を記載しています。
プラン | Semrush | Ahrefs | SimilarWeb |
---|---|---|---|
基本 | Pro: $117.33 | Lite: $129 | Starter: $125 |
中級 | Guru: $208.33 | Standard: $249 | Professional: $333 |
上級 | Business: $416.66 | Advanced: $499 | Team: カスタム価格 |
企業向け | カスタム価格 | Enterprise: $1,499~ | Enterprise: カスタム価格 |
- Semrushの価格は年間契約の場合の月額換算です。
- Ahrefsの価格は月額料金です。
- SimilarWebの価格は年間契約の場合の月額換算です。
どのプランを見てもSemrushの価格が安いことがわかります。
さらに、年間契約を選択すると16%の割引が適用され、より経済的に利用することができます。例えば、Proプランの年間契約では月額換算で約$99.95(約14,200円)となり、月々の支払いよりも大幅に節約することができます。
また、Semrushは初期費用が不要で、予算に限りがある場合でも導入しやすい点も魅力です。さらに、会社の規模や必要な機能に応じてプランを選択できるため、無駄な支出を抑えることができます。
Semrushの料金の安さは、単に低価格というだけではありません。SEO、PPC広告、SNSマーケティング、コンテンツマーケティングなど、デジタルマーケティングのほぼすべての領域をカバーする機能を提供しているにもかかわらず、この価格設定を実現しているのです。これにより、複数のツールを併用する必要がなくなり、結果的にコスト削減にもつながります。
公式サイトが教えてくれない本当の料金プラン
料金プランと、公式サイトが教えてくれないお得に10%安く利用できる方法を紹介します。
有料プラン3種類でProプランがおすすめ

プラン名 | 価格(税込) | 対象ユーザー |
Proプラン | $153.95/月 | 個人やフリーランス、小規模サイトの運用 |
Guruプラン | $274.95/月 | 中小企業のマーケティング部門、中規模サイトの運用 |
Businessプラン | $549.95/月 | 大手企業のマーケティング部門、大規模サイトの運用 |
Semrushの有料プランは、Pro、Guru、Businessの3種類があります。
Proプランは最も基本的なプランで、月額$119.95(年間契約の場合は$99.95/月)です。このプランは個人や小規模ビジネス、スタートアップ企業に適しています。SEO、PPC、SNSに関するほとんどの機能を利用できますが、過去データの閲覧には制限があります。
Guruプランは中間的なプランで、月額$229.95(年間契約の場合は$191.62/月)です。このプランは中小企業のマーケティング部門や中規模サイトの運用、代理店やコンサルティング会社に人気があります。Proプランの機能に加えて、コンテンツマーケティング機能(日本語未対応)、Google Data Studio連携、過去データの利用が可能になります。
Businessプランは最上位のプランで、月額$449.95です。大手企業のマーケティング部門や大規模サイト、ECサイトの運用、代理店やコンサルティング会社向けです。Guruプランの機能に加えて、PLA(ショッピング広告)分析、AMP(Accelerated Mobile Pages)のチェック、API利用が可能になります。
各プランとも、基本的に1ユーザーでの利用を想定していますが、追加料金を支払うことで複数ユーザーでの利用も可能です。追加ユーザーの料金は、Proプランで$45/月、Guruプランで$80/月、Businessプランで$100/月となっています。また、年間契約を選択すると月額料金が16%程度割引されるため、長期的な利用を考えている場合はお得です。さらに、各プランにはプロジェクト数やキーワードトラッキング数などの制限がありますが、必要に応じて追加購入で制限を引き上げることも可能です。
無料トライアルあり
通常、Semrushの無料トライアル期間は7日間ですが、
特別なプロモーションを利用すると14日間のトライアルを受けられる場合もあります。
トライアル期間中は、選択したプラン(ProまたはGuru)の全機能を制限なく使用することができます。トライアルを開始するには、Semrushのウェブサイトにアクセスし、「無料トライアルを申し込む」ボタンをクリックします。その後、メールアドレスとパスワードを入力してアカウントを作成します。クレジットカード情報の入力が必要ですが、
トライアル期間中にキャンセルすれば料金は発生しません。
無料トライアルを最大限に活用するには、特定の目的を持って利用することが重要です。
たとえば、自社サイトのSEO診断を行ったり、競合分析を実施したり、キーワードリサーチを行ったりすることで、Semrushの機能がビジネスにどのように役立つかを具体的に理解できます。トライアル期間中は、キーワード分析、サイト監査、競合分析、バックリンク分析など、Semrushの主要機能を積極的に試すことをおすすめします。
(裏ワザ)日本版より本社版の方が10%安い
項目 | 日本版Semrush | 本社版Semrush |
運営会社 | 株式会社オロ(日本総代理店) | Semrush本社(アメリカ) |
公式サイトURL | https://semrush.jp/ | https://www.semrush.com |
実質的な料金 | 英語版より約10%高い | 日本版より約10%安い |
料金プラン比較時の注意点 | 日本版と英語版で価格が異なる点に注意が必要です。 | 日本版と英語版で価格が異なる点に注意が必要です。 |
Semrushの料金プランを検討する際、見逃しがちな重要なポイントがあります。それは、日本版と本社版の価格差です。
株式会社オロが日本の総代理店として運営している日本版Semrush(https://semrush.jp/)と、
アメリカのSemrush本社が直接運営しているSemrush(https://www.semrush.com)の2つがあり、
.jpと.comでドメインが異なります。ちなみに、日本で「Semrush」とGoogle検索をすると↓、

日本版Semrush(.jp)が検索で1位で表示されます。
でもここには裏があるんです。
日本版(.jp)と本社版(.com)では、月額の料金に約10%の差があり日本版の方が高いです。この差が生じる主な理由は、
株式会社オロが代理店として手数料を上乗せしているからです。
代理店である株式会社オロが提供する日本語版(.jp)では、元の料金に10%が上乗せされています。一方、アメリカの本社が運営する本社版(.com)では、代理店を挟んでいないため、結果的に10%ほど安く利用できることになります。
以下の表は、semrush.jpとsemrush.comの料金プランを比較したものです。
プラン | semrush.jp (月額) | semrush.com (月額) |
---|---|---|
Pro | $153.95 | $139.95 |
Guru | $276.95 | $249.95 |
Business | $549.95 | $499.95 |
例えば、Proプランを月額で契約する場合、日本語版では153.95ドル(消費税込み)となっていますが、本社版では139.95ドル(消費税込み)となっています。この差額は、長期的に見るとかなりの金額になります。
私は本社が直接運営しているSemrush(.com)↓を利用していますが、日本語も対応しているのでデメリット等は特にありません。

ちなみにどちらのSemrushでも消費税はかかります。
Semrushが登録国外事業者に登録されているためです。また、どちらでもインボイスに対応した請求書をダウンロードできます。
Semrushの使い方/機能をユーザーが紹介
私、木本旭洋が実際に利用してできることをキャプチャー付きで紹介します、。
1.SEO分析:キーワードリサーチから競合分析まで

Semrushは、SEO分析において包括的なツールセットを提供しており、キーワードリサーチから競合分析まで幅広い機能を備えています。主要なSEOに関する機能を紹介します。
キーワードリサーチ

キーワード分析→キーワード概要にて、
あるキーワードの関連キーワード、その検索ボリューム、競争率、CPCなどの詳細なデータを取得できます。Googleのキーワードプランナーのような機能です。
これにより、ターゲットとするキーワードの選定や、コンテンツ戦略の立案が容易になります。
順位計測

「順位計測」機能を使用すると、自社と競合サイトのキーワード順位を比較し、SEO戦略の改善点を見つけることができます。
「オーガニック検索分析」

競合分析においては、「オーガニック検索分析」ツールが非常に強力です。
このツールを使用することで、競合サイトがどのようなページやキーワードで集客しているか、最近の流入数の増減、ブランドワードへの依存度などを詳細に分析することができます。これにより、競合の戦略を理解し、自社のSEO戦略を最適化することが可能になります。
「サイト診断」

また、Semrushの「サイト診断」機能を使用すると、自社サイトのテクニカルSEO問題を特定し、改善提案を受けることができます。これは、サイトの健全性を維持し、検索エンジンでの順位向上に貢献します。
被リンク分析

さらに、「被リンク分析」機能を使用することで、自社サイトや競合サイトの被リンクを収集することができます。
自社と競合の差分がわかるので、今後の被リンクの戦略を立てることに役立ちます。
広告分析:効果的な広告キャンペーンの立案と管理

リスティング広告をはじめ、キャンペーンの立案と管理において強力なツールセットを提供しています。
「リスティング広告分析」機能

まず、「リスティング広告分析」機能を使用することで、競合他社の広告戦略を詳細に分析できます。競合が入札しているキーワード、使用している広告コピー、出稿履歴などを調査し、業界のトレンドや効果的な戦略を把握することができます。
「Keyword Magic Tool」

次に、「Keyword Magic Tool」を活用して、最適なキーワードを選定できます。この機能は、市場最大のキーワードデータベースにアクセスし、関連語やフレーズを発見し、ニッチなトピックや質問キーワードを見つけ出すことができます。
「PPC Keyword Tool」

さらに、「PPC Keyword Tool」を使用して、選定したキーワードをGoogle広告に効率的に入稿できます。このツールでは、キャンペーンの設定、キーワードのグループ化、重複キーワードの削除、ネガティブキーワードの設定など、広告キャンペーンの最適化に必要な作業を一元的に管理できます。
「PLA分析」

Googleショッピング広告を分析するツールです。競合他社の各キーワードに表示される製品リスト広告を発見し、検索連動型広告の検索で表示されたドメインのGoogleショッピングの広告の検索順位を確認。競合他社のPLAの表示をトリガする検索クエリの数を表示します。
「順位計測」

また、「順位計測」機能を使用することで、指定した地域やデバイスにおける広告の掲載状態をリアルタイムで確認できます。これにより、キャンペーンのパフォーマンスを常に監視し、必要に応じて迅速に調整を行うことが可能になります。
3.ソーシャルメディア戦略:競合分析と投稿管理

競合のSNSアカウントをトラッキングし、投稿パターンやエンゲージメントの高い投稿を分析。投稿作成も一元化し、SNS運用を効率化できます。
Social Trackerツール

まず、競合分析においては、Social Trackerツールを使用して競合他社のソーシャルメディア戦略を詳細に分析できます。このツールでは、競合のフォロワー数の推移、エンゲージメント率、投稿頻度、最も人気のあるコンテンツタイプなどを追跡できます。これにより、業界のトレンドをいち早く把握し、自社の戦略を最適化することが可能になります。
Social Posterツール

投稿管理に関しては、Social Posterツールが非常に強力です。このツールを使用することで、Facebook、Instagram、LinkedIn、X、Pinterest、TikTokなど、複数のプラットフォームにわたって投稿を一元管理できます。投稿のスケジューリング、ドラフトの保存、承認プロセスの効率化など、ソーシャルメディア運用のワークフローを大幅に改善できます。さらに、Semrushは投稿パフォーマンスの分析機能も提供しています。各投稿のエンゲージメント率、リーチ、クリック数などを詳細に分析し、どのような内容や投稿タイミングが最も効果的かを把握できます。
Social Content AI

Semrushの特徴的な機能として、Social Content AIがあります。このAIツールを使用することで、投稿のアイデア創出から実際の投稿文の作成まで、コンテンツ制作プロセスを効率化できます。これは、常に新鮮で魅力的なコンテンツを提供する必要があるソーシャルメディアマーケティングにおいて、非常に有用なツールとなります。
導入する時の注意点
機能の豊富さゆえの複雑さ、データの解釈、コスト面での考慮など、いくつかの重要なポイントがあります。これらの注意点を理解することで、Semrushの真の力を引き出し、効果的なデジタルマーケティング戦略を構築できます。
Googleのすべてのデータが取得できるわけでない
Semrushは確かに強力なデジタルマーケティングツールですが、Googleの全てのデータを取得できるわけではありません。特に競合分析において、この制限は重要な考慮点となります。競合サイトの分析を行う際、Semrushが表示する検索広告やSEOの結果は、実際のデータの一部に過ぎません。
これらの制限を理解した上で、Semrushのデータを活用することが重要です。
Semrushは競合分析や市場動向の把握に非常に有用なツールですが、その結果は全体像の一部を示すものと捉えるべきです。より包括的な分析を行うためには、Semrushのデータを他のソース(例:Google Analytics、Google Search Console、実際の検索結果の確認など)と組み合わせて利用することが推奨されます。
スコアはSemrush独自の基準であることを忘れない
Semrushのスコアは、デジタルマーケティングの世界で重要な指標として広く利用されていますが、これらのスコアがSemrush独自の基準に基づいていることを常に念頭に置く必要があります。
Semrushが提供する主要なスコアの一つに、Authority Scoreがあります。これは、Webサイトのドメイン権威性を1から100までの範囲で評価する指標です。
このスコアは、ドメインのリンクプロファイルの品質や数量、リンク元のドメインの権威性、検索エンジンでの順位、オーガニック検索トラフィックなど、複数の要因を考慮して算出されています。しかし、このAuthority Scoreは、GoogleやBingなどの検索エンジンが直接提供しているものではなく、Semrush独自のアルゴリズムによって計算されたものです。そのため、実際の検索エンジンのランキングアルゴリズムとは異なる可能性があります。
同様に、Semrushが提供するキーワード難易度(KD)スコアも、Semrush独自の指標です。このスコアは、特定のキーワードで上位表示されるために必要な労力を示すものですが、これもSemrushの独自のアルゴリズムに基づいて算出されています。これらのスコアは、デジタルマーケティング戦略を立てる上で非常に有用なツールですが、絶対的な指標ではないことを理解することが重要です。
WEBマーケの基礎を学習してから利用する
Semrushは非常に強力で多機能なツールですが、その機能を最大限に活用するためには、まず基礎的な知識を身につけることが重要です。SEOやデジタルマーケティングの基本概念を理解せずにSemrushを使用すると、データの解釈を誤ったり、効果的な戦略を立てられなかったりする可能性があります。そのため、Semrushを導入する前に、以下のような基礎知識を学習することをおすすめします。
- SEOの基本原則:検索エンジンの仕組み、オンページSEO、オフページSEOなどの基本的な概念を理解しましょう。
- キーワードリサーチの重要性:適切なキーワードを選定することがSEO成功の鍵となります。キーワードの種類や選定方法について学びましょう。
- コンテンツマーケティングの基礎:質の高いコンテンツを作成することの重要性や、ユーザーのニーズに応えるコンテンツ戦略について理解しましょう。
- 競合分析の基本:競合他社の戦略を分析することの意義や、そこから得られる洞察の活用方法を学びましょう。
これらの基礎知識を身につけた上でSemrushを使用することで、ツールが提供するデータや機能をより効果的に活用できるようになります。
また、Semrushが提供する無料のオンラインコースを活用することも、ツールの使い方を学ぶ上で非常に有効です。