Salesforce認定Platformアプリケーションビルダー試験は、ノーコードやローコードでのアプリ開発力を証明できる人気の資格です。しかし、効果的な勉強方法や試験対策を押さえることが合格への鍵となります。本記事では、試験範囲に合った学習手順やおすすめの参考書、模擬問題の活用法、実務経験が浅い方でも理解しやすいポイントなど、初心者から経験者まで役立つ最新の勉強法と対策を詳しく解説します。効率的に実力を伸ばし、合格を目指したい方はぜひ参考にしてください。
Salesforce認定Platformアプリケーションビルダーとは?
Salesforce認定Platformアプリケーションビルダーは、Salesforce Platformの宣言型カスタマイズ機能を用いてカスタムアプリケーションの設計や構築、リリースに関する知識とスキルを証明する認定資格です。プログラミング不要なポイント&クリック操作によるアプリ開発や、データモデル、ビジネスロジック、アプリケーションセキュリティ、プロセス自動化、レポートやダッシュボードなどの設計・管理が主な範囲となります。受験資格は特にありませんが、6か月から1年程度の実務経験が推奨されており、Salesforceエンジニアやアドミニストレーターなど、これから開発分野で活躍したい方が最初に取得すべき基礎的な資格とされています。
試験の概要(種類、試験時間、費用、有効期限)
項目 | 内容 |
---|---|
試験種類 | 多肢選択・複数選択式 |
問題数 | 60問 |
試験時間 | 105分 |
合格基準 | 正答率63%以上 |
受験料 | 30,000円(税抜/2025年2月改定) |
受験方法 | オンラインまたはテストセンター |
有効期限 | 年1回の更新が必要(Trailheadで無料更新) |
Salesforce認定Platformアプリケーションビルダーの試験は、Salesforce標準機能を活用したカスタムアプリケーション開発力を問う資格試験です。問題は多肢選択式や複数選択式で構成され、全60問に対し105分間で解答します。合格基準は正答率63%以上となっており、試験は自宅からのオンライン受験とテストセンター受験のいずれかを選択可能です。2025年2月からは受験料が30,000円(税抜)に改定されました。
Salesforce認定Platformアプリケーションビルダーの勉強方法
合格に向けて、効果的な3つの勉強方法のポイントをご紹介します。
1. 出題範囲の徹底理解と実機での操作 📝
試験の出題範囲を正確に把握することが合格への第一歩です。Salesforceの公式試験ガイドで、各セクションの配分(「Salesforceの基本」、「データモデリングと管理」など)と、それぞれの項目で問われる具体的な知識を確認しましょう。
次に、 学習した内容は必ず無料のDeveloper Edition環境(Trailhead Playground)で実際に手を動かして試すことが重要です。「習うより慣れろ」で、テキストや動画で学んだ知識を、オブジェクトの作成、リレーションの構築、数式項目の設定、入力規則、ワークフロールール、承認プロセス、Flow Builderの操作など、実際に自分で設定してみることで、知識が定着し、応用力が身につきます。
2. 公式Trailheadの徹底活用 🌲
Salesforceが提供する無料の学習プラットフォームであるTrailheadは、試験勉強に不可欠なツールです。特に「認定 Platform アプリケーションビルダー資格の準備」というトレイルミックスは、試験範囲を網羅しており、各単元の詳しい解説とハンズオン形式の課題が含まれています。
このトレイルを最初から最後までやり遂げることで、試験に必要な知識を体系的に学ぶことができます。わからない箇所や苦手な分野は、関連モジュールを繰り返し学習しましょう。特に、Flow Builderやデータセキュリティに関する単元は出題頻度が高いため、重点的に取り組むことをお勧めします。
3. 模擬問題での実践力強化 🎯
ひと通り学習を終えたら、模擬問題に挑戦して現在の実力を測り、知識の定着度を確認しましょう。Salesforce公式の模擬試験(Webassessorで提供)や、信頼できるnote等の過去問や模擬問題集を活用するのが効果的です。
模擬問題を解く際には、なぜその選択肢が正解なのか、そして他の選択肢がなぜ間違いなのかを、自分の言葉で説明できるようにすることが非常に重要です。このプロセスを通じて、知識の曖昧な点が明確になり、本番の試験で応用問題が出題されても対応できる力が養われます。間違えた問題は必ず復習し、関連するTrailheadモジュールや開発者ドキュメントを読み返して、理解を深めましょう。
おすすめの過去問問題集は以下になります。


上記の問題集は、Salesforce認定Platformアプリケーションビルダー試験に対応した全100問の過去問と、その詳しい解答・解説を掲載しています。筆者が実際に受験して得た実践的な知見をもとに作成されており、各問題には選択肢ごとの解説や理由がしっかり記載されている点が特徴です。
Salesforce認定Platformアプリケーションビルダーの具体的な試験対策
Salesforce認定Platformアプリケーションビルダー試験の得点アップに直結する、より具体的な3つの対策ポイントをご紹介します。
1. 「Flow」と「データセキュリティ」を徹底的に極める
この試験で最も配点が高く、
差がつきやすいのが「ビジネスロジックとプロセスの自動化」(特にFlow Builder)と「セキュリティ」の分野です。
- Flow Builderの深掘り: 「レコードトリガフロー」や「画面フロー」など、各種フロータイプの違いと最適な利用シーンを完璧に理解しましょう。「どの要素をどの順番で使えば要件を満たせるか」「この要件はFlowで実現可能か、それともコードが必要か」を即座に判断できるレベルを目指してください。特に、レコードの作成・更新・削除をトリガーとする複雑な自動化ロジックの問題は頻出です。
- データセキュリティの網羅: オブジェクト、項目、レコードレベルのアクセス権制御を体系的に整理しましょう。「プロファイル」「権限セット」「ロール階層」「共有ルール」「手動共有」が、それぞれ**「何ができて、何ができないのか」**を明確に区別することが重要です。「ユーザAには参照のみ許可し、ユーザBには編集も許可したい」といった具体的なシナリオ問題で、どの設定の組み合わせが最適解かを導き出せるように、繰り返し演習してください。
これらの分野を重点的に学習し、得意分野にすることが高得点への最短ルートです。
2. 問題文の「キーワード」から最適なソリューションを判断する
Salesforceの試験では、問題文に正解を導くための重要な「キーワード」が隠されています。このキーワードに反応し、対応する機能を即座に結びつける訓練をしましょう。
- 「データ品質を担保」「入力ミスを防ぐ」 → 入力規則、必須項目、選択リスト
- 「ユーザを特定のプロセスに沿って誘導する」 → 画面フロー、パス
- 「承認プロセスを自動化する」 → 承認プロセス
- 「複数のオブジェクトにまたがる複雑な処理を自動化する」 → Flow Builder
- 「コードを書かずに」 → 宣言的ツール(Flow、入力規則など)が正解である可能性が非常に高い
このように、問題文の要求(動詞や目的)を捉え、どの機能が最もシンプルかつ効率的に解決できるかを考える癖をつけてください。特に「宣言的(クリック操作)で可能か、それともプログラム的(コード)な開発が必要か」の判断は、多くの問題で問われる核心部分です。
3. 消去法で解答を絞り込む実践的テクニック
本番の試験では、4つの選択肢の中から「最も適切なもの」を選ぶ必要があります。正解が瞬時にわからなくても、
「明らかに間違っている選択肢」を消していくことで、正答率を劇的に上げることができます。
- 機能の限界を考える: 「入力規則で他のレコードを参照できるか?→できないので、この選択肢は間違い」といったように、各機能の制約を基に選択肢を削っていきます。
- 過剰な解決策を疑う: シンプルな要件に対して、過度に複雑なFlowやApexコードを提案する選択肢は、多くの場合、不正解です。Salesforceは常に「最もシンプルな解決策」を推奨します。
- 2つの選択肢で迷ったら: 最終的に2つの選択肢で迷った場合は、もう一度問題文の要件に立ち返り、どちらがより厳密に要件を満たしているか、より効率的かを比較検討してください。この最後のひと押しが、合否を分ける一問につながります。
模擬問題を解く際には、常にこの消去法を意識してトレーニングすることをお勧めします。
まとめ
試験の核心は、単なる知識の暗記ではなく、実践的なアプリケーション構築スキルにあります。Trailheadのモジュールを読み進めるだけでなく、必ず自分の開発環境で手を動かし、オブジェクト、リレーション、そして特にFlow Builderを使った自動化の仕組みをゼロから構築してみてください。
なぜその機能を選ぶのか、他の選択肢ではなぜ要件を満たせないのかを常に自問自答する癖が、シナリオ問題への対応力を養います。特に高配点の「ビジネスロジックとプロセスの自動化」と「データモデリング」を徹底的に深掘りすることが、合格への近道です。ここで得た「クリックでどこまでできるか」を見極める力は、あなたの大きな武器となるでしょう。万全の準備と自信を持って、試験に臨んでください。