「求職活動実績って、ハローワークの職業相談だけでも認めてもらえるの?」 「毎回求人に応募しないとダメなのだろうか」
結論からお伝えします。ハローワークの職業相談のみで、求職活動実績は問題なく認められます。 求人に応募していなくても、相談ブースで担当者と話をすれば、それが1回分の実績としてカウントされます。
この記事を読めば、職業相談だけで確実に実績を積む方法と、ハローワークに行かずに実績を作る選択肢がわかります。
求職活動実績は職業相談のみでOK
まずは大前提から確認しましょう。
職業相談は国が認める正式な求職活動
失業保険(雇用保険の基本手当)を受け取るには、失業認定のたびに求職活動実績が必要です。この「求職活動」として認められる範囲は、厚生労働省が定めています。
具体的には、求人への応募、ハローワークが行う職業相談・職業紹介等を受けたこと、各種講習やセミナーの受講などが該当します。つまり職業相談は、応募と同列に扱われる正式な求職活動のひとつです。
一方で、単に新聞やインターネットで求人情報を閲覧しただけ、知人に紹介を依頼しただけでは求職活動の範囲に含まれません。ここが後述する注意点につながります。
求人に応募しなくても1回分の実績になる
職業相談は「相談」であって、応募や面接を伴う必要はありません。窓口で相談員に希望条件を伝えて求人を検索してもらう、応募書類の書き方を聞く、といった内容で1回分の実績になります。
「こんな相談で実績になってしまっていいのだろうか」と後ろめたく感じる方もいますが、心配は不要です。ハローワークの相談員も、求職活動実績を目的とした相談があることは理解したうえで対応しています。
職業相談の利用回数に制限はない
職業相談の利用回数に上限はありません。認定対象期間中に必要な実績を、すべて職業相談で埋めることも可能です。
むしろ足を運ぶ回数が増えるほど、相談員に自分の希望や経歴を覚えてもらえます。求人が入ったタイミングで声をかけてもらえることもあるため、実績作りと転職活動を両立させる意味では悪い選択ではありません。
相談内容が浅くても実績は認められる
相談内容の質で実績が判定されるわけではありません。数分で終わる質問でも、窓口で正式に記録されれば実績になります。
とはいえ、毎回まったく同じ質問を繰り返すのは避けたほうが無難です。理由は後述の注意点で解説します。
職業相談で必要な求職活動実績の回数
「何回相談すればいいのか」は最も間違えやすいポイントです。自分の状況ごとに必要回数が変わるため、ここは正確に押さえてください。
認定対象期間中に2回以上が原則
基本のルールはシンプルです。基本手当の支給を受けるには、失業の認定を受けようとする期間(認定対象期間。原則として前回の認定日から今回の認定日の前日までの期間)中に、原則2回以上の求職活動実績が必要とされています。
職業相談のみで作るなら、別々の日に2回窓口へ行けば要件を満たせます。
初回認定日は1回でも要件を満たす
最初の認定日だけは扱いが異なります。基本手当の支給に係る最初の認定日における認定対象期間中は、求職活動実績が1回でよいとされています。
多くの場合、受給資格決定後に参加する雇用保険受給者初回説明会(雇用保険説明会)が、この1回分としてカウントされます。そのため、初回認定日に向けて改めて職業相談へ行く必要がないケースも少なくありません。
自分の説明会参加が実績に含まれるかどうかは、受給資格者証や配布資料で必ず確認しておきましょう。
給付制限がある場合は回数が増える
自己都合退職などで給付制限がかかる方は、必要回数が上乗せされます。給付制限期間とその直後の認定対象期間をあわせた期間について、通常より多い回数の実績が求められる仕組みです。
2か月間の給付制限を受ける方は、給付制限開始日から給付制限終了直後に指定されている認定日の前日までの間に求職活動実績が2回以上、3か月間の給付制限を受ける方は3回以上必要とされています。
給付制限の期間は離職理由や過去の受給歴によって変わり、必要回数の案内も管轄のハローワークで異なる場合があります。受給説明会で配られる「しおり」に自分のケースが明記されているので、そこを基準にしてください。
判断に迷ったら、次の職業相談のついでに「自分は次の認定日まで何回必要ですか」と確認するのが最も確実です。この質問自体も相談としてカウントされます。
1回でよいとされる例外ケース
原則2回のルールには例外があります。該当する方は負担がぐっと軽くなるので確認しておきましょう。
求人へ応募した場合は1回でOK
見落とされがちですが、非常に重要なポイントです。求人への応募を行った場合は、認定対象期間中における求職活動実績が1回あればよいこととされています。
つまり、職業相談で2回窓口に足を運ぶか、求人に1回応募して終わらせるか。この2択なら、後者のほうが圧倒的に手間は少ないということです。詳しい方法は記事の後半で解説します。
就職困難者や認定期間14日未満の場合
このほかにも1回でよいとされるケースがあります。厚生労働省令で定める就職が困難な者である場合(障がい者等)、認定対象期間の日数が14日未満の場合、市町村の取次ぎによる失業の認定を受ける場合などが該当します。
また、公共職業訓練等の受講期間中や、採否結果の通知を待っている期間など、求職活動実績が必要とされない場合もあります。職業訓練に通っている方は、そもそも実績作りに悩む必要がありません。
職業相談のみで実績を作る当日の流れ
初めて職業相談だけを目的にハローワークへ行くと、「どこで何と言えばいいのか」で戸惑いがちです。流れを把握しておけば、実際には30分ほどで完了します。
受付でハローワークカードを提示する
来所したら総合受付へ向かい、ハローワークカード(求職申込みの際に発行されるカード)を提示して「職業相談をお願いします」と伝えます。これだけで手続きは進みます。
雇用保険受給資格者証も必ず持参してください。相談後の押印に必要になります。初めて利用する場合は、氏名や住所などの基本情報を記入するハローワークカードの作成から始まります。
受付を済ませると番号札を受け取り、順番を待つ形になります。混雑状況によっては待ち時間が30分近くになることもあるため、時間には余裕を持って行きましょう。
なお、認定日と同じ日に相談を済ませようとする方が多いため、認定日の午前中は特に混みます。あえて認定日以外の日に行くほうが、結果的に早く終わります。
相談ブースで15分ほど相談する
順番が来たら相談ブースへ案内され、相談員と1対1で話をします。所要時間の目安は15分から30分程度です。
相談員から「今日はどういったご相談ですか」と聞かれるので、用意しておいた質問を伝えます。求人を検索してもらいながら、条件面や職種について話を進めるのが一般的な流れです。
気になる求人が見つかれば紹介状を出してもらうこともできますが、その場で決める必要はありません。「持ち帰って検討します」と伝えて問題ありません。
受給資格者証にハンコをもらう
ここが最も重要な手順です。相談が終わったら、相談員に「求職活動実績の押印をお願いします」と伝えてください。
雇用保険受給資格者証を提示すると、相談員が該当欄に押印してくれます。日付と活動内容が正しく記載されているかを、その場で必ず確認しましょう。
ハンコを押してもらい忘れると、相談した事実が手元に残りません。ハローワーク側の記録には残っているため後から確認してもらえるケースもありますが、認定日当日に慌てることになります。相談が終わった瞬間に依頼する、と決めておくのが確実です。
なお、押印の運用はハローワークによって異なり、受給資格者証ではなく失業認定申告書の記入で足りるケースもあります。初回の相談時に「実績の証明はどうすればいいですか」と聞いておくと、次回以降が楽になります。
失業認定申告書への書き方
認定日に提出する失業認定申告書には、認定対象期間中に行った求職活動を自分で記入します。
活動日・相談内容の記入例
記入する内容は次の3点です。
- 求職活動をした日(相談に行った日付)
- 利用した機関の名称(○○ハローワーク)
- 活動内容(職業相談、職業紹介など)
活動内容の欄は、「職業相談」と書けば十分です。相談した内容を細かく書く必要はありません。
職業相談のみで実績を作る4つの注意点
職業相談だけで実績を作ること自体に問題はありません。ただし、認定されない失敗パターンが存在します。実質的には5つありますが、特に事故が起きやすいものから順に解説します。
必ず別の日に相談へ行く
同じ日に複数回相談しても、求職活動実績として認められるのは1回分のみです。
「1日で2回分まとめて済ませたい」と考える方は多いのですが、これはできません。午前と午後で分けても、窓口を変えても、カウントは1回です。
2回の実績が必要なら、必ず別々の日に2回来所してください。認定日から逆算して、早めに1回目を済ませておくと安心です。
毎回同じ内容を相談しない
相談内容の質で実績が判定されるわけではないと先に述べましたが、毎回まったく同じ質問を繰り返すのは避けましょう。
相談記録はハローワーク側に残ります。就職の意思が客観的に確認できないと判断されると、実績としての扱いに疑問を持たれる可能性があります。
とはいえ、難しく考える必要はありません。「前回紹介してもらった求人について詳しく聞きたい」「職務経歴書を見てほしい」など、前回の続きから話を広げれば自然に内容は変わります。質問のバリエーションは次の章でまとめて紹介します。
認定日当日の相談は次回分になる
意外と多い失敗がこれです。失業認定日に職業相談を行った場合、その日の相談は次回の失業認定期間の求職活動実績としてカウントされます。
認定対象期間は前回の認定日から今回の認定日の前日までが対象になるためです。「認定日にハローワークへ行くのだから、ついでに相談すれば実績になる」と考えていると、当日に回数不足が発覚します。
実績は、認定日の前日までに必要回数を満たしておく。これを徹底してください。
紹介された求人を安易に辞退しない
職業相談から求人紹介に話が進んだ場合の注意点です。応募の意思がないのに実績作りのためだけに求人を紹介してもらったと判断されると、求職活動実績として認められない可能性があります。
紹介状を受け取ったあとに理由なく辞退を繰り返すと、相談員との信頼関係にも影響します。興味が持てない求人であれば、紹介状をもらう前に「今回は条件が合わないので、情報だけいただきます」と正直に伝えれば問題ありません。
虚偽の申告は不正受給になる
行っていない職業相談を申告書に記入するのは、不正受給にあたります。
不正受給が発覚した場合、支給停止に加えて、受け取った額の返還と、その額の2倍に相当する額の納付を命じられることがあります。いわゆる3倍返しです。悪質と判断されれば刑事告発の対象にもなります。
ハローワーク側には来所記録も相談記録も残っているため、申告内容との照合は容易です。実績が足りないときは正直に相談してください。次の認定日に持ち越されるだけで済むケースもあります。
職業相談で使える質問例20選
「毎回違う内容を相談する」と言われても、何を聞けばいいのか思い浮かばない方は多いはずです。そのまま使える質問を、カテゴリー別に20個用意しました。上から順に消化していけば、5回分以上の相談ネタになります。
求人の探し方に関する質問例
初回や、まだ方向性が固まっていない段階で使いやすい質問です。
- 「○○(職種)の求人で、いま応募が集まりやすいのはどんな条件ですか」
- 「希望条件を伝えるので、該当する求人を検索してもらえますか」
- 「この地域で未経験から応募できる職種はありますか」
- 「ハローワークの求人検索機で、絞り込みのコツを教えてください」
条件を少し変えながら再検索してもらうだけで、毎回違う相談として成立します。
応募書類・面接に関する質問例
実績作りと同時に、選考通過率を上げられる質問です。個人的にはここを最も活用してほしいと考えています。
- 「職務経歴書を持ってきたので、見ていただけますか」
- 「志望動機の書き方について、添削をお願いできますか」
- 「退職理由を面接でどう説明すればいいでしょうか」
- 「面接練習をお願いすることはできますか」
書類の添削は、相談員が最も対応しやすい依頼のひとつです。持参するだけで15分程度の相談になります。
給与・条件面に関する質問例
- 「この求人の給与は、地域の相場と比べてどうですか」
- 「求人票の『みなし残業』はどう解釈すればいいですか」
- 「賞与ありと書かれていますが、実績を確認できますか」
- 「この企業の離職状況について、わかる範囲で教えてください」
ハローワークの求人は職員が企業とやり取りしているため、求人票に書かれていない情報を教えてもらえることがあります。
職業訓練・資格に関する質問例
- 「いま募集している職業訓練コースを教えてください」
- 「職業訓練を受けると失業保険の扱いはどう変わりますか」
- 「○○(職種)に転職するなら、どの資格が評価されますか」
- 「訓練の説明会はいつ開催されますか」
職業訓練の説明会に参加すれば、それ自体が別途1回の実績になります。相談から実績を増やす動線としても有効です。
ブランク・年齢の不安に関する質問例
- 「離職期間が長いのですが、書類でどう説明すべきですか」
- 「40代以上でも応募しやすい職種はありますか」
- 「前職と違う業界に移るとき、何をアピールすればいいですか」
- 「求職活動実績は、次の認定日まで何回必要ですか」
最後の20番は、相談内容としてカウントされるうえに、自分の必要回数も確認できます。行き詰まったときの定番として覚えておいてください。
ハローワークに行かずに実績を作る方法
ここまで職業相談での実績作りを解説してきましたが、正直に言えば負担は小さくありません。認定対象期間ごとに2回、別々の日にハローワークへ行き、待ち時間を含めて毎回1時間前後を使うことになります。
平日しか開いていないため、アルバイトをしている方や育児中の方にとっては特に厳しいはずです。そこで押さえておきたいのが、自宅で完結する実績作りです。
求人サイトからのネット応募は1回で実績
前半でも触れましたが、求人への応募を行った場合は、認定対象期間中における求職活動実績が1回あればよいとされています。
つまり、次の2つは同じ価値を持ちます。
- ハローワークで職業相談を2回(別々の日に来所、合計2時間前後)
- 求人サイトから1社に応募(自宅で完結、10分程度)
しかも応募は、ハローワークの求人に限りません。民間の求人サイトからのネット応募も、正式な求職活動実績として認められます。応募した企業名と応募日を失業認定申告書に記入すれば手続きは完了です。
リクナビNEXTでネット応募する手順
ネット応募で実績を作るなら、リクナビNEXTが使いやすい選択肢です。転職者の多くが利用している求人サイトで、掲載企業数が多く、応募までがブラウザ上で完結します。
会員登録して希望条件で求人を探す
まず無料の会員登録を行い、職種・勤務地・年収などの希望条件を設定します。登録自体は数分で終わります。
条件に合う求人が定期的にメールで届くようになるため、次回以降は届いた求人から選ぶだけで応募先を探す手間が省けます。レジュメ(職務経歴)を登録しておけば、応募のたびに情報を入力し直す必要もありません。
応募日と企業名を控えておく
応募が完了したら、応募日と企業名を必ず控えておきましょう。失業認定申告書には、応募した日・企業名・応募方法(インターネット応募)・応募結果を記入します。
応募履歴はマイページに残るため、認定日直前に確認できる状態にしておけば安心です。
なお、採用側から見た話をひとつ。求人サイト経由の応募は、企業の管理画面にそのまま届きます。「実績作りのための応募だから見られないだろう」ということはなく、書類は普通に読まれます。
裏を返せば、実績のために出した1社が本当に通る可能性もあるということです。どうせ応募するなら、受かったら通う気がある求人を選んでおくほうが得です。
職業相談とネット応募を組み合わせるコツ
おすすめは、次のような使い分けです。
- 時間に余裕がある月:職業相談2回(書類添削や面接練習を兼ねる)
- 忙しい月・体調が優れない月:ネット応募1回で完結
このハイブリッドにしておけば、どんな月でも実績不足で慌てることがなくなります。特に給付制限があって必要回数が多い方は、応募を1回混ぜるだけで負担が大きく変わります。
まだ求人サイトに登録していない方は、認定日の直前に慌てないためにも、先に登録だけ済ませておきましょう。
まとめ:求職活動実績は職業相談のみで作れるが応募が最短
この記事の要点を整理します。
- 求職活動実績は、ハローワークの職業相談のみで問題なく認められる
- 原則は認定対象期間中に2回以上、最初の認定日は1回でよい
- 給付制限がある場合は必要回数が増えるため、しおりで自分のケースを確認する
- 同じ日に2回相談しても1回、認定日当日の相談は次回分になる
- 求人へ応募した場合は、その期間の実績は1回でよい
職業相談は確実で安全な方法です。書類添削や面接練習を頼めば、実績作りと転職準備を同時に進められます。時間に余裕がある方には、むしろ積極的に使ってほしい制度です。
一方で、毎回ハローワークまで足を運ぶ余裕がない月もあるはずです。そんなときは、求人サイトからのネット応募1回で要件を満たせることを思い出してください。自宅から10分で終わります。
大切なのは、認定日の前日までに必要回数を満たしておくこと。そのための手段は複数用意しておいたほうが安心です。まだ求人サイトのアカウントがない方は、次の認定日に備えて登録だけでも済ませておきましょう。
