「住居確保給付金を使いたいけれど、あとで不利になることはないだろうか」 「大家さんに知られてしまうのでは」
家賃の支払いに不安が出てきたとき、多くの方がこの制度にたどり着きます。ただ、公的な給付金ゆえに情報が制度説明に寄っていて、実際に使った人が困るポイントまで書かれた記事は多くありません。
先に結論をお伝えすると、住居確保給付金は借金ではなく、返済義務も信用情報への影響もありません。それでも「手元に現金が入らない」「求職活動が義務になる」といった実質的なデメリットは確かに存在します。ここを知らずに申請すると、受給が始まってから「思っていた支援と違った」となりかねません。
この記事を読めば、住居確保給付金のデメリット7つと、それを踏まえて申請すべきかどうかの判断基準がわかります。
住居確保給付金の7つのデメリット
住居確保給付金は、離職や収入減少で住まいを失うおそれのある方に家賃相当額を支給する制度です。生活困窮者自立支援法にもとづく国の制度で、申請窓口は自治体の自立相談支援機関になります。
まずは、申請前に必ず押さえておきたいデメリットを7つ挙げます。
- 手元に現金は入らず貸主へ直接振り込まれる
- 大家や管理会社に受給が必ず知られる
- 家賃の全額が支給されるとは限らない
- 収入と預貯金の要件が想像以上に厳しい
- 月4回の面談・週1回の応募など求職活動が義務
- 申請から入金までに時間がかかる
- 支給は原則3か月・最長9か月で終わる
順に見ていきましょう。
手元に現金は入らず貸主へ直接振り込まれる
最初に押さえておきたいのが、支給されたお金は自分の口座に振り込まれないという点です。住居確保給付金は、原則として自治体から住宅の貸主等の口座に直接振り込まれます。いわゆる代理納付方式です。
つまり、支給が決まっても財布の中身は増えません。食費や光熱費、通信費、就職活動の交通費といった「家賃以外の支出」には一切使えないということです。
生活費全体が苦しい状況であれば、住居確保給付金だけで立て直すのは難しいのが実情です。家賃負担が軽くなる分をどう他の支出に回すか、あるいは他の制度と組み合わせるかを、申請の段階で考えておく必要があります。
大家や管理会社に受給が必ず知られる
申請にあたっては、賃貸借契約の内容や振込先を証明する書類に、貸主または管理会社の記入・押印をもらう必要があります。この時点で、受給しようとしていることは相手に伝わります。
「失業したことが知られてしまう」と不安になる方は少なくありません。実際、Q&Aサイトなどでも同じ懸念がたびたび投稿されています。
ただし、ここは過度に恐れる必要はないと考えています。貸主側から見れば、家賃を滞納されるより、自治体から確実に振り込まれるほうがはるかにありがたい話だからです。制度の利用を理由に一方的に契約を解除される、といった扱いをされる法的根拠もありません。
一方で、受給中や受給直後に新しい物件を探す場合は注意が必要です。収入が減っている状態での入居審査は通りにくくなります。転居を考えているなら、その順番も含めて相談窓口で整理しておきましょう。
家賃の全額が支給されるとは限らない
「家賃がまるごと補助される」と思って申請すると、想定とのズレが生じます。
支給上限額は地域と世帯人数で決まる
支給額には上限があり、上限額は地域や世帯状況によって異なります。生活保護の住宅扶助特別基準額が上限になるため、上限を超える家賃の物件に住んでいる場合、差額は自己負担です。
たとえば静岡市では単身世帯3.9万円、2人世帯4.7万円が上限として案内されています。都市部かどうかで金額が変わるため、自分の住む自治体の金額を必ず確認してください。
また、収入がある方の場合は一部支給になります。支給額は「基準額+実際の家賃額-世帯収入」で計算され、上限額との低いほうが適用されます。那覇市の例では、単身世帯で家賃55,000円・申請月の収入が100,000円の場合、計算結果が上限の32,000円を超えるため、支給額は上限の32,000円になります。
共益費・管理費・光熱水費は対象外
支給の対象になるのは家賃部分だけです。共益費や光熱水費、借地代は対象外とされており、駐車場代なども同様の扱いになります。
毎月の請求額が「家賃+共益費」でまとまっている方は、契約書上の家賃がいくらなのかを先に確認しておくと、支給額のイメージがずれません。
収入と預貯金の要件が想像以上に厳しい
住居確保給付金は「今まさに家賃が払えない人」を対象とした制度です。そのため、収入要件と資産要件の両方をクリアする必要があります。
収入要件は、世帯収入の合計額が「基準額(市町村民税均等割が非課税となる収入額の12分の1)+家賃額」以下であることです。資産要件は世帯の預貯金の合計額が基準額の6か月分以下(ただし100万円を超えない額)とされています。
具体的な金額でイメージすると、富士市の場合は単身世帯48.6万円、2人世帯73.8万円、3人世帯94.2万円が資産要件の目安です。
つまり、貯金が数十万円ある段階では対象外になる可能性が高いということです。「まだ貯金があるから、なくなってから申請しよう」と考える方もいますが、審査や振込に時間がかかることを考えると、この判断は危険です。要件を満たすギリギリのタイミングを狙うのではなく、家賃の支払いに不安を感じた時点で窓口に相談するのが正解です。
月4回の面談・週1回の応募など求職活動が義務
受給中は、就職に向けた活動が要件として課されます。ここが最も見落とされやすいデメリットです。
活動内容は自治体によって多少異なりますが、たとえば栃木県では月4回以上、自立相談支援機関等の就労支援を受けること、月2回以上、ハローワークで職業相談を受けることが示されています。加えて、原則として週1回以上の求人応募や面接が求められるのが一般的です。
求職活動が負担になりやすい人
体調を崩して離職した方、育児や介護と並行している方にとって、この頻度は決して軽くありません。窓口の開所時間は平日日中が中心なので、アルバイトで生活をつないでいる方はシフト調整も必要になります。
なお、自営業の方は求職活動の代わりに経営改善に向けた活動が要件になる場合があります。該当しそうな方は、申請時にその旨を相談してください。
申請から入金までに時間がかかる
住居確保給付金は、申請したその日にお金が動く制度ではありません。書類の審査を経て支給決定となるため、家賃が振り込まれるまでには一定の期間がかかります。
さらに注意したいのが、すでに滞納している家賃には充当できないという点です。申請月以降に支払うべき家賃を家主等の口座に直接支給するもので、滞納した家賃への充当はできません。
滞納が膨らんでから駆け込んでも、過去分は救済されません。「まだ払えているうちに相談する」のが、この制度を活かす最大のコツです。
支給は原則3か月・最長9か月で終わる
支給期間は原則3か月で、最長9か月まで延長が可能です。延長は3か月ごとに審査があり、求職活動を誠実に行っているかどうかが確認されます。
裏を返せば、9か月経てば支援は終わります。その時点で収入が回復していなければ、生活保護など別の制度に移行するしかありません。また、一度使い切ると再度の利用は原則として難しく、「切り札」としての性格が強い制度です。
だからこそ、受給が決まった瞬間から「9か月後にどうなっていたいか」を逆算しておくことが重要になります。
デメリットを正しく理解するための制度の仕組み
ここまで挙げたデメリットは、制度の設計そのものから生まれています。仕組みを押さえておくと「なぜそうなっているのか」が腑に落ち、申請時の判断もしやすくなります。
住居確保給付金は家賃補助と転居費用補助の2種類
住居確保給付金には、就職活動を支えるための「家賃補助」と、家計の立て直しのための「転居費用補助」の2つがあります。多くの記事で解説されているのは前者ですが、状況によっては後者のほうが合っているケースもあります。
転居費用補助は、収入が大きく減少し、家賃の安い住宅へ転居する必要がある方が対象です。家計改善の支援において、転居によって家計が改善すると認められることが要件になります。支給額には上限があり、たとえば郡山市では単身世帯117,000円、2人世帯126,000円といった金額が示されています。ただし敷金や前家賃など、補助の対象外となる費用もあります。
対象者としては、配偶者が亡くなって世帯収入が減った方、病気で離職し収入を増やせない方などが例に挙げられています。今の家賃が明らかに収入と釣り合っていないなら、家賃補助で3か月しのぐより、転居して固定費そのものを下げるほうが根本的な解決になります。窓口で両方の可能性を相談してみてください。
支給額の計算方法と一部支給になるケース
家賃補助の支給額は、次の考え方で決まります。
- 収入が基準額以下の場合:家賃額(上限額まで)を支給
- 収入が基準額を超え、収入基準額以下の場合:基準額+実際の家賃額-世帯収入
いずれの場合も、地域と世帯人数ごとに定められた上限額を超えることはありません。アルバイトなどで一定の収入がある方は、満額ではなく一部支給になると考えておきましょう。
滞納中の家賃には充当できない
繰り返しになりますが、支給されるのは申請月以降に支払うべき家賃です。過去の滞納分を後から穴埋めする使い方はできません。
家賃を滞納すると、貸主との関係悪化や契約解除のリスクが生じます。制度が「住まいを失う前に手を打つ」ことを前提に設計されている以上、動くタイミングが早いほど選択肢は広がります。
申請窓口は自立相談支援機関
申請先はハローワークではなく、お住まいの自治体(福祉事務所設置自治体)の自立相談支援機関です。名称は「くらしサポートセンター」「暮らし・しごと相談支援センター」など自治体によって異なります。
支給を受けるには自立相談支援事業を利用することが必要とされており、単なる給付の窓口ではなく、家計改善支援や就労準備支援とセットで相談に乗ってもらえる場所だと考えてください。求職活動の要件を満たすうえでも、この機関との関係が軸になります。
実はデメリットではない?よくある4つの誤解
不安の多くは、制度への誤解から生まれています。ここを整理しておくと、申請へのハードルはかなり下がります。
借金ではないため返済義務はない
住居確保給付金は「給付金」であり、貸付ではありません。生活福祉資金貸付制度のように、後から返済を求められることは基本的にありません。
ただし例外はあります。虚偽の申告をした場合や、収入が増えたのに報告しなかった場合には、返還を求められることがあります。これは制度の悪用に対する措置であり、正しく申告して受給する限り心配は不要です。
信用情報や住宅ローン審査には影響しない
「公的な給付を受けたことがクレジットカードや住宅ローンの審査に響くのでは」という不安をよく聞きます。
住居確保給付金は借入ではないため、信用情報機関に事故情報として記録されることはありません。将来ローンを組む際に、受給歴そのものが不利に働くことはないと考えて差し支えありません。
むしろ、家賃を滞納して保証会社との間でトラブルになったり、カードローンで家賃を払って多重債務に陥ったりするほうが、信用情報に直接影響します。
戸籍・住民票に記録は残らない
制度の利用が戸籍や住民票に記載されることはありません。役所の内部で申請情報が管理されるだけで、公的な身分証明の書類に痕跡が残る仕組みではないためです。
勤務先や親族に通知されるわけではない
自治体から現在の勤務先や別居の親族へ、受給の事実が通知されることはありません。知られるのは、書類の記入をお願いする貸主・管理会社に限られます。
一方で、同一世帯の家族については収入や資産を合算して審査するため、書類の取得に協力してもらう必要があります。同居家族に完全に伏せたまま進めるのは難しい、という点だけ押さえておきましょう。
住居確保給付金が向かない人・対象外になる人
制度である以上、対象は限定されています。次に当てはまる方は、そもそも申請できないか、別の制度を検討したほうが早い可能性があります。
持ち家や住宅ローン返済中の人は対象外
支給の対象は賃貸物件に住んでいる方です。持ち家で住宅ローンを返済している場合は利用できません。
住宅ローンの支払いが厳しい方は、金融機関への返済条件変更の相談が先になります。
世帯の主たる生計維持者でない人
要件のひとつに、離職等の日において世帯の生計を主として維持していたこと、そして申請日の属する月においても主として維持していることが含まれます。
そのため、配偶者や親の収入で生活が成り立っている世帯の場合、本人が離職していても対象にならないことがあります。実家暮らしの学生が単独で申請するのも同様に難しいと考えてください。
離職・廃業から2年を超えている人
申請日において、離職・廃業の日から2年以内であることが原則です。
ただし救済措置があります。疾病、負傷、育児その他やむを得ない事情により、連続して30日以上求職活動ができなかった方については、求職活動ができなかった日数を考慮して期間が延長されます(最大で2年分の加算)。体調を崩して動けない時期があった方は、あきらめる前に窓口で確認してください。
なお、離職していなくても、自分の責任や都合によらない理由で収入を得る機会が減少し、離職・廃業と同程度の状況にある方は対象になります。シフトを大幅に削られた方や、業務委託で仕事が激減した方もここに含まれます。
預貯金に余裕があり要件を超える人
前述のとおり、資産要件は基準額の6か月分(100万円を上限)です。この金額を超える預貯金がある間は対象外になります。
「貯金を使い切ってから」と考えたくなりますが、支給までのタイムラグと、求職活動に必要な当面の生活費を考えると、残高が完全にゼロになる前の相談が現実的です。
目先の現金が必要な人
住居確保給付金は家賃に用途が限定された制度です。今日明日の食費や、就職活動の交通費が足りない状況であれば、この制度だけでは足りません。
自立相談支援機関では、生活福祉資金貸付制度やフードバンクの案内など、他の支援とあわせた相談ができます。「家賃の相談窓口」ではなく「生活全体の相談窓口」として使うのが正しい向き合い方です。
以下、記事本文の【3/3】です。(H2⑤〜まとめ)
デメリットを最小限にする5つの対策
ここまで挙げたデメリットは、事前準備でかなり軽減できます。実際に申請すると決めたら、次の5つを意識してください。
家賃を滞納する前に早めに相談する
最も効果が大きいのがこれです。滞納分には充当できず、審査から入金までには時間がかかるという2つの制約がある以上、動き出しが早いほど支援が間に合います。
「来月の家賃が厳しいかもしれない」と感じた時点が相談のタイミングです。要件を満たしているか自分で判断する必要はありません。窓口で状況を話せば、住居確保給付金以外の選択肢も含めて整理してもらえます。
必要書類を事前に揃えて審査を短縮する
審査に時間がかかる主な理由は、書類の不備や追加提出です。あらかじめ手元に集めておけば、そのぶん支給決定は早まります。
一般的に必要になる書類
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 離職や収入減少を証明する書類(離職票、雇用契約の終了通知、シフト表や給与明細など)
- 世帯全員の収入がわかる書類(直近の給与明細、年金の振込通知書など)
- 世帯全員の預貯金通帳の写し
- 賃貸借契約書の写し
- 貸主・管理会社に記入してもらう入居住宅に関する書類
自治体によって様式や必要書類は異なります。初回の相談時に一覧をもらい、貸主への記入依頼だけは早めに動いておくと全体が滞りません。
求職活動の実績を記録し延長申請に備える
延長は自動ではなく、求職活動を誠実に行っているかどうかが確認されます。応募した企業名、応募日、結果、ハローワークでの相談日を、その都度メモに残しておきましょう。
スマートフォンのメモアプリでも十分です。まとめて思い出そうとすると必ず抜けが出ますし、記録があること自体が面談での説得力になります。
採用担当の視点から見た「実績の作り方」
応募数だけを追うと選考に通らず、期間だけが過ぎていきます。おすすめは、週1回の応募のうち少なくとも1社は「本命に近い企業」を混ぜること。そして書類が通らなかった求人については、職務経歴書のどの部分が刺さっていないかを窓口の就労支援担当と一緒に見直すことです。
自立相談支援機関には就労支援の担当者がいます。月4回の面談を「消化するもの」ではなく「書類添削と面接練習の機会」として使えば、要件を満たしながら就職の確度が上がります。
家賃が高い場合は転居費用補助も検討する
現在の家賃が支給上限額を大きく超えているなら、家賃補助だけでは自己負担が残り続けます。9か月後も同じ家賃を払い続ける前提なら、生活の再建は簡単ではありません。
その場合は、家計の立て直しを目的とした転居費用補助の対象にならないかを相談してみてください。転居先の家賃が今より多少高くなっても、家計全体が改善すれば対象になる可能性があるとされています。通院先や職場に近くなって交通費が下がるようなケースが例に挙げられています。
固定費を根本から下げるほうが、結果的に早く自立につながることは少なくありません。
収入が増えたら必ず報告し返還を防ぐ
受給中にアルバイトの収入が増えた、就職が決まったといった変化があれば、速やかに窓口へ報告します。報告を怠って受給を続けると、後から返還を求められる可能性があります。
なお、就職が決まっても、収入が要件の範囲内であれば支給が継続されるケースもあります。「言ったら止められる」と黙るのではなく、まず伝えて判断を仰ぐのが安全です。
住居確保給付金と併せて検討したい支援制度
住居確保給付金は家賃に用途が限定されるため、単独で生活を立て直すのは難しい制度です。次の制度と組み合わせて考えましょう。
失業保険(基本手当)との違いと併用可否
失業保険は雇用保険の被保険者だった方が受け取る給付で、生活費全般に使える現金が本人の口座に振り込まれます。用途が限定されない点が住居確保給付金との最大の違いです。
失業保険の受給中でも、収入として計算したうえで要件を満たせば住居確保給付金を利用できます。ただし失業保険の給付額は収入として扱われるため、支給額が減ったり対象外になったりする可能性があります。まずは離職後すぐにハローワークで失業保険の手続きを進め、それでも家賃が厳しい場合に住居確保給付金を検討する、という順番が基本です。
求職者支援制度の職業訓練受講給付金
雇用保険に加入していなかった方や、失業保険の受給が終わってしまった方が対象になる制度です。無料の職業訓練を受けながら、要件を満たせば月10万円の給付を受けられます。
住居確保給付金との併給には条件があるため、訓練の受講を考えている方は、住居確保給付金の窓口とハローワークの両方で扱いを確認してください。
生活福祉資金貸付制度
社会福祉協議会が実施する貸付制度です。給付ではなく貸付なので返済義務がありますが、当面の生活費や転居費用など、使途の幅は広くなります。
住居確保給付金で家賃を支え、どうしても足りない生活費を貸付で補うという組み合わせも可能です。返済計画まで含めて相談窓口で検討しましょう。
国民健康保険・国民年金の減免制度
会社を辞めると、健康保険と年金が全額自己負担になり、固定費が一気に重くなります。倒産や解雇など会社都合で離職した方は、国民健康保険料の軽減措置を受けられる場合があります。国民年金にも保険料免除・納付猶予の制度があります。
家賃だけに目が向きがちですが、社会保険料の減免は申請するだけで毎月の支出が下がる、効果の大きい対策です。市区町村の窓口で必ず確認してください。
生活保護との関係
住居確保給付金と生活保護は併給できません。生活保護には住宅扶助が含まれており、支援が重複するためです。
9か月の支給期間中に就労での自立が難しいと判断された場合は、生活保護への切り替えを検討することになります。自立相談支援機関は福祉事務所と連携しているため、状況が悪化したときの相談先としても機能します。
まとめ:住居確保給付金のデメリットを理解して早めに相談しよう
住居確保給付金のデメリットを、あらためて整理します。
- 手元に現金は入らず、貸主へ直接振り込まれる
- 大家や管理会社に受給が知られる
- 上限額があり、家賃の全額が支給されるとは限らない
- 収入と預貯金の要件が厳しい
- 月4回の面談・週1回の応募など求職活動が義務になる
- 申請から入金まで時間がかかり、滞納分には充当できない
- 支給は原則3か月、最長9か月で終了する
一方で、借金ではないため返済義務はなく、信用情報にも戸籍にも記録は残りません。デメリットとして語られるものの多くは「使い方の制約」であって、将来の不利益ではないということです。
この制度で本当にもったいないのは、要件を気にして相談が遅れ、滞納が膨らんでから駆け込むケースです。滞納分は救済されず、住まいを失えば就職活動そのものが成り立たなくなります。
採用の現場を見てきた立場から言えば、住所と生活のリズムが安定している人ほど、選考は前に進みます。家賃の支払いに不安を感じた時点で、お住まいの自治体の自立相談支援機関に連絡してください。それが、9か月という限られた期間を最大限に活かす第一歩になります。
