デジタルマーケティング会社代表の木本です。この記事では、私の経験から、Webマーケティングにおける職種別の業務内容について詳しく解説しています。Webマーケティングといっても職種によって業務内容は異なるもの。しっかりと確認していきましょう。
Webマーケティングの業務について
まず、Webマーケティングの業務について広い視点で理解していきましょう。
Webマーケティングの社内での役割
Webマーケティングの社内での役割は、主にWebサイトの集客や売上アップのための施策を考え、実行することです。社内においては、マーケティングチームやデザインチーム、開発チームと協力しながら業務を進めます。Webサイトの改善や新機能の追加など、運営上の課題を見つけ、それを改善するための戦略を立てることも重要な役割の一つです。
また、Webマーケティングの社内での役割には、データ分析が欠かせません。Webサイトのアクセス解析やコンバージョン解析を行い、それを基に施策の評価や改善点の発見を行います。このため、データ分析に関する知識やスキルが必要不可欠となります。
さらに、Webマーケティングの社内での役割には、周知や情報共有が含まれます。新しい施策や改善点をチーム内で共有し、メンバーの意見を取り入れながら進めていくことが重要です。また、他の部署とのコミュニケーションも欠かせません。広告配信やWebサイトの改善など、Webマーケティングの施策は複数の部署と関わっているため、円滑なコミュニケーションが求められます。
Webマーケティングの仕事のメリット
Webマーケティングの仕事におけるメリットとは、主に以下のようなものがあります。
クリエイティブ性が求められる
Webマーケティングにおいては、どのような広告を出すかや、Webサイトのデザインやコンテンツをどうするかなど、クリエイティブ性が求められます。そのため、自分自身のアイデアを活かすことができ、やりがいを感じることができます。
データ分析による改善がしやすい
Webマーケティングにおいては、Webサイトや広告の成果をデータとして分析し、改善点を見つけ出すことが重要です。そのため、データ分析力を身につけることができ、自分の仕事が数字に表れることで達成感を感じることができます。
テクノロジーの進化に伴い、常に新しいことにチャレンジできる
Webマーケティングにおいては、常に新しいテクノロジーや手法が開発されています。そのため、新しいことにチャレンジすることができ、スキルアップが期待できるというメリットがあります。
成果に直結する仕事である
Webマーケティングは、企業の売上に直結する仕事であるため、自分の仕事が結果として表れることが多く、やりがいを感じることができます。
柔軟な働き方が可能である
Webマーケティングには、オフィスにいる必要がない場合があります。そのため、自宅やカフェなど、自分の好きな場所で働くことができることがあります。また、フレックスタイム制度がある場合が多く、自分の都合に合わせて働くことができるというメリットがあります。
Webマーケティングの仕事のデメリット
Webマーケティングの仕事には、多くのメリットがありますが、一方でデメリットもあります。その一つが、常に最新の情報を追い続ける必要があることです。Webマーケティングの業界は常に変化しており、新しいテクノロジーや手法が登場するたびに、それらに対応する必要があります。そのため、常に勉強し続けることが求められます。
また、Webマーケティングは成果が出るまでに時間がかかることもあります。例えば、SEOを用いた集客においては、上位表示に至るまでに時間がかかることが多く、成果が出るまでには時間と労力が必要です。そのため、即効性が求められる業務に携わりたい人には向かないかもしれません。
さらに、Webマーケティングは競争が激しい業界であるため、常に新しい手法やアイデアを考え出し、他社との差別化を図る必要があります。そのため、クリエイティブな発想力が求められます。
これらのデメリットを克服するためには、常に新しい情報を収集することや、自己啓発をすることが重要です。また、コミュニケーション能力やクリエイティブな発想力を高めることも必要です。
インハウスか支援会社かで仕事内容が異なる
Webマーケティングの仕事はインハウス(社内マーケター)か支援会社(クライアントワーク)かで異なります。
その違いを紹介します。
インハウスWebマーケターの仕事内容
インハウスWebマーケターとは、自社のWebサイトやWebサービスの集客や売上向上を目的として、社内のWeb広告やSNSなどの運用管理を行う人のことです。
インハウスWebマーケターは、自社商品やサービスに精通しているため、外部業者に依頼するよりも効率的に施策を立案・実行できるメリットがあります。また、自社データと連携しやすく、PDCAサイクルを回しやすいというメリットもあります。
一方で、Webマーケティング以外の業務も担当する必要があります。幅広い業務をすることができ、様々な業務を経験できるメリットがありますが、それ故に、専門的なスキルや経験が身に付きにくいというデメリットがあります。
支援会社のWebマーケターの仕事内容
支援会社のWebマーケターとは、クライアントワーク、他社のWebマーケティングをサポートする人のことです。
支援会社には、マーケティング戦略の全体を立案・実施する企業や、広告代理店、SEO、SNS集客支援など専門分野を支援する企業などがあります。
支援会社のWebマーケターは、クライアントから仕事を受託するため、多様な業界や商品・サービスに触れられます。
特定のWebマーケティング支援に特化するため、専門的なスキルを向上させやすいのがメリットです。また、クライアントとのコミュニケーション能力も求められるので、特定のWebマーケティングスキル+営業スキルも身に着けられるのもメリットです。
一方、特定のWebマーケティング支援のみのため、インハウスのWebマーケターのように、幅広いWebマーケティング業務を経験できないのがデメリットになります。
職種別Webマーケティングの仕事内容
ここからは具体的に職種別の仕事内容を紹介していきます。
Web広告運用者
Web広告運用者は、Web広告を運用することを専門とする職種で、主に広告掲載に関する業務を担当します。具体的には、Google広告やYahoo!プロモーション広告などの広告運用に関する業務があります。広告運用には、クリック単価を算出するための入札価格の設定や、広告掲載にあたってのキーワードの設定や広告のクリエイティブ作成が必要です。
また、Web広告運用者は、広告運用の最適化も行います。広告のクリック率やコンバージョン率を改善するために、広告の見出しや説明文の改善案を考えたり、ランディングページの改善案を考えたりします。
そのため、Web広告運用者は、Web解析やデータ分析にも精通している必要があります。GoogleアナリティクスやYahoo!ウェブアナリティクスなどのツールを用いて、広告の成果を分析したり、改善案を考えたりすることが求められます。
Web広告運用者には、広告代理店やWebマーケティング会社、企業のWebマーケティング部門などで勤務する場合があります。また、フリーランスで働く場合もあります。
SNSマーケター
SNSマーケターは、ソーシャルメディアを活用して商品やサービスを広めるための戦略を立て、実行する仕事です。SNSマーケターは、Facebook、Twitter、Instagram、LinkedIn、YouTube、TikTokなどのSNSプラットフォームを利用して、顧客とのコミュニケーションを強化し、企業の商品やサービスを宣伝するためのマーケティング戦略を立てます。
具体的には、SNSマーケターは、企業のブランドイメージを高めるために、コンテンツの企画・制作・配信を行います。SNS上でのコミュニケーションを重視して、企業が発信する情報を発信するだけでなく、顧客からの問い合わせやフィードバックに対応することも求められます。また、キャンペーンやイベントを企画し、SNS上での宣伝・告知・運営を行い、顧客とのエンゲージメントを高めることも重要な業務です。
さらに、SNSマーケターは、SNS上でのアクセス解析やKPI設定、戦略の評価など、データ分析にも精通している必要があります。これにより、適切な施策を行い、効果的なマーケティング戦略を立てることができます。
Webディレクター
Webディレクターは、Webマーケティングの中でも、Webサイトの企画、デザイン、運営などを担当する職種のひとつです。この職種の業務内容には、以下のようなものがあります。
まず、Webサイトの企画に携わります。ユーザーが求める情報やニーズを把握し、それをもとにWebサイトの構成やページの配置、コンテンツの作成などを行います。また、ユーザビリティやアクセシビリティの観点から、操作性や利便性に配慮したWebサイトの設計も行います。
次に、Webサイトのデザインに関わります。Webサイトのデザインは、商品やサービスの魅力を引き出すために重要です。そのため、美しく見やすく、ユーザーに魅力的に映るデザインを作成する必要があります。また、Webサイトのデザインは、ユーザーのブランドイメージにも大きく影響を与えます。そのため、ブランディングの観点から、適切なデザインを考える必要があります。
Webサイトの制作においては、プロジェクトマネージャーとして、開発チームやコンテンツクリエイター、Webデザイナーなど、複数の部署との調整や進捗管理を行います。そのため、コミュニケーション能力やリーダーシップ能力も必要です。
また、Webサイトの運営や管理にも携わります。アクセス解析や改善施策の検討、SEO対策、Webサイトの品質管理などを行い、常に最適な状態に保つことが求められます。
SEOマーケター
SEOマーケターとは、主に検索エンジンでの表示順位を上げることで、ユーザーからのアクセスを増やすことを目的とする仕事です。SEO対策のためのキーワードの選定やコンテンツ作成、外部からのリンク集めなどが主な業務です。
具体的には、まずWebサイトのコンテンツにおいて、Googleなどの検索エンジンがユーザーの検索に応えるための情報が適切に盛り込まれているかを分析します。そして、ユーザーが検索するキーワードを選定し、そのキーワードをサイト内に適切に配置することで、検索エンジンに対してサイトの関連性を伝えます。
また、外部からのリンクを増やすことによって、検索エンジンからの評価を高めることができます。そのため、SEOマーケターは、他のWebサイトやSNSなどで、自社サイトへのリンクを増やすような施策を行います。
CRM職
CRM職とは、Customer Relationship Management(顧客関係管理)の略で、顧客の情報やデータを集め、管理することで顧客に合ったサービスや商品を提供し、顧客満足度を高めることを目的としたポジションです。
具体的には、顧客とのコミュニケーションを取り、顧客の嗜好や要望を把握し、その情報を元にマーケティング戦略を考案することが主な仕事内容です。また、顧客情報を管理するためのシステムの導入や運用も担当する場合があります。
CRM職は、顧客に直接関わることが多いため、コミュニケーション能力が求められます。また、データ分析能力も必要で、顧客情報から傾向を読み取り、改善策を提案することが求められます。
CRM職は、Webサイトの運営やWeb広告の配信など、他のWebマーケティング職種とも連携し、顧客との関係構築につなげることが求められます。
Webコンサルタント
Webコンサルタントは、Webマーケティングの分野において、顧客のWebサイトやWebサービスのコンサルティングを行う仕事です。具体的には、顧客のWebサイトやWebサービスの問題点を分析し、改善策を提案します。Webコンサルタントは、Webサイトの設計や改善に関する専門的な知識を持っており、顧客のビジネス目標や戦略に合わせたWebサイトの改善案を提案します。
Webコンサルタントの業務内容は、顧客のWebサイトの設計・改善に関するアドバイスや、SEO対策やWeb広告の効果測定などが挙げられます。具体的には、WebサイトのUI/UXの改善や、Webサイトの検索エンジン対策、Web解析を通じた顧客行動の分析、顧客とのコミュニケーション戦略の策定などがあります。また、顧客のビジネス戦略や市場環境を考慮したWebサイトのデザインやコンテンツの企画・提案も重要な業務となります。
Webコンサルタントには、Webサイトの設計・改善に関する知識や技術が必要とされます。また、顧客とのコミュニケーション能力や、顧客のビジネス理解力も必要となります。さらに、Webマーケティングに関する知識も必要とされます。
Webコンサルタントは、顧客のビジネス目標や戦略に合わせたWebサイトの改善案を提案することで、顧客のビジネス成長に貢献することができます。Webマーケティングの分野に興味がある方は、Webコンサルタントとして活躍することもできます。
Webアナリスト
Webアナリストとは、WebサイトやWeb広告などのデータを収集し、分析して効果を最大化するための施策を立案する職種です。
具体的には、Webサイトのアクセス解析やコンバージョン率の解析、顧客の属性や行動分析、競合サイトの分析などを行います。これらのデータから、Webサイトの改善点や新しい施策を立案し、Webマーケティング全体の戦略に反映させます。
また、Webアナリストは、集めたデータを分かりやすく報告し、Webマーケティング担当者や関係者に提案することも重要な役割です。そのため、コミュニケーション能力も求められます。
Webアナリストは、Webマーケティングにおいて非常に重要な役割を担っているため、データ分析能力やコミュニケーション能力を高めることが求められます。また、Google Analyticsやその他のWeb解析ツールの知識も必要です。Webアナリストは、Webマーケティングの施策をより効果的にするために欠かせない存在です。
Webマーケティングの仕事、気になる疑問Q&A
Webマーケティングの仕事はハード?
この仕事はハードな面も多くあります。以下にその理由をいくつか挙げます。
常に数字を見ながら改善策を考えて実行し、その効果を検証するというサイクルを繰り返します。この作業は細かく丁寧に行わなければならず、時間や労力がかかります。
自分が担当するプロジェクトやクライアントに対して目標数値や期限が設定されます。これらの目標を達成するためには、高いプレッシャーの中で働く必要があります。
残業が他より多めです。特に支援会社などでは、クライアントから急な依頼や変更があった場合に対応しなければなりません。また、結果が出るまで時間がかかることもあります。
クライアントとコミュニケーションを取ることも重要です。しかし、クライアントと自分のITリテラシーに差があったり、意見や方針が合わなかったりすることもあります。その場合は交渉力や説得力も必要です。
ハードな面も多くありますが、それだけにやり甲斐や成長も感じられる仕事でもあります。
Webマーケティングの仕事のキャリアパスは?
Webマーケターとしてのキャリアパスは、大きく分けて以下の2つがあります。
インハウスのWebマーケター
事業会社では、自分たちの商品やサービスを販売するために、自社内でWebマーケティングを行います。
この場合は、自社のブランドやビジョンに沿った戦略を立てることが重要です。
キャリアアップとしては、チームや部署のリーダーになったり、CMO(最高マーケティング責任者)になったりすることが可能です。
支援会社のWebマーケター
広告代理店では、クライアントから依頼された案件に対して、広告運用やコンサルティングなどを行います。
この場合は、クライアントのニーズや目標に応えることが重要です。
キャリアアップとしては、ディレクターになったり、コンサルタントになったりすることが可能です。
Webマーケティングの仕事に就くには?
Webマーケティングの仕事に就くには、以下のような方法があります。
就職・転職する
Webマーケティングを行っている企業や広告代理店などに就職や転職することで、現場で経験を積むことができます。
この方法では、未経験でも応募可能な求人が多くありますが、基本的なスキルや知識は必要です。
また、面接や筆記試験などの選考プロセスを通過する必要があります。
社内異動を狙う
勤務している企業の中でWeb部門への異動を狙うこともできます。
この方法では、自社の商品やサービスに精通していることが強みになりますが、異動先の部署や上司の意向も重要です。
また、異動前に自己学習や社内研修などでスキルアップする必要があります。
まとめ
Webマーケティングの仕事内容を理解することで、自分に合った職種を選び、実際に働く上で必要なスキルや知識を身につけることができるでしょう。インハウスかクライアントワークかにもよって仕事内容やキャリアパスが変わるため、自分の適性や希望に応じて選択していきましょう。