AI・機械学習・生成AIの基礎知識とAWS上での実践スキルが問われるAWS Certified AI Practitionerは、今注目のAWS認定資格です。合格を目指すには、公式の無料学習リソースや厳選した問題集の活用、AIの基本概念や主要AWSサービスの理解など、体系的かつ効率的な学習方法が欠かせません。本記事では、初心者から実務者まで役立つおすすめの勉強法や効果的な試験対策のポイントを詳しく解説します。
AWS Certified AI Practitionerとは?
AWS Certified AI Practitionerは、Amazon Web Services(AWS)が提供する認定資格の一つで、人工知能(AI)や機械学習(ML)、および生成AIに関する基礎知識と実践的な活用方法を証明する資格です。この資格は、AIやML技術の基本的な概念や用語、ユースケース、そして生成AIの活用方法まで幅広い知識を問う内容となっています。具体的には、AI/ML分野の初学者やビジネスでAI技術を活用したい方を主な対象としており、エンジニアだけでなく、ビジネスアナリストやプロジェクトマネージャーなど幅広い職種に向けて設計されています。
試験は、AI・ML・生成AIの基本やAWSが提供する関連サービス(Amazon SageMaker、Amazon Bedrockなど)の基礎的な使い方、AI活用時のコンプライアンスやセキュリティ、プロンプトエンジニアリングといった内容が問われます。
試験の概要(種類、試験時間、費用、有効期限)
項目 | 内容 |
---|---|
試験の種類 | ファウンデーショナル(基礎レベル) |
試験時間 | 90分 |
問題数 | 65問 |
試験形式 | 選択問題 |
受験方法 | Pearson VUEテストセンターまたはオンライン監督 |
受験費用 | 100USD |
有効期限 | 3年 |
提供言語 | 日本語、英語、韓国語、ブラジルポルトガル語、中国語(簡体字)など |
AWS Certified AI Practitionerは、AI・機械学習・生成AIに関する基礎知識を証明するファウンデーショナル(基礎)認定です。受験時間は90分で、65問の選択式問題で構成されています。受験費用は100USDで、テストセンターまたは自宅などからオンライン監督付きで受験可能です。合格から3年間有効で、期間終了後は再受験が必要となります。
AWS Certified AI Practitionerの勉強方法
1. AI・機械学習の「基本概念」を先に学ぶ
AWS Certified AI Practitioner試験の対策を始めるにあたり、まずAI(人工知能)と機械学習(ML)の基本概念をしっかり理解することが重要です。この試験では、AIや機械学習、深層学習、ニューラルネットワークといった技術の違いや特徴、教師あり学習・教師なし学習といった代表的な学習手法の違い、それぞれの代表的な用途やユースケースについて問われます。また、構造化・非構造化データ、ラベル付きデータの意味など、実務で頻繁に登場する重要用語の定義も理解しておく必要があります。
具体的には、「AIとはどんな技術か」「機械学習や深層学習との違いは何か」「どのような実用例があるのか」といった観点から、自分の言葉で説明できるまで整理しましょう。AI・MLの基本的な理論や開発サイクル、例えばデータ収集からモデル学習、評価、デプロイ、モニタリングまで一連の流れを理解することも求められます。さらに、コンピュータビジョンや自然言語処理など代表的なAI分野と、それらに対応するAWSサービス(Amazon SageMaker、Transcribe、Comprehendなど)の役割も基本知識として押さえておくと、応用問題にも強くなります。
まずはAI・機械学習の土台を築くことで、AWS独自の用語やサービス、さらには生成AIや基盤モデルの具体的な仕組みといった応用項目も理解しやすくなります。
2. AWS公式の無料学習リソースを徹底活用する
AWS Certified AI Practitioner試験に向けた効果的な対策として、AWS公式が提供する無料学習リソースを積極的に活用することは非常に重要です。まず、AWS公式サイトには試験ガイドが公開されており、これを読むことで出題範囲や合格に必要な知識の全体像が把握できます。このガイドには、主要サービスの概要や受験者が身につけておくべきスキルが具体的にまとめられているため、最初に確認して学習計画を立てるのが効果的です。
次に、AWS Skill Builderを活用しましょう。Skill BuilderはAWS公式のオンライン学習プラットフォームで、600以上の無料コースやラーニングプランが提供されています。ここでは、AI・機械学習・生成AI分野に特化した各種トレーニングが揃っており、自分のレベルやスケジュールに合わせて着実に知識を深めることができます。とくに「Exam Prep Standard Plan」や「Official Practice Question Set」などは、実際の試験範囲や出題傾向を体験できる公式模擬問題集であり、アウトプットの力を養うのに最適です。模擬問題は日本語版も順次提供されており、20問規模ながらも本番に近い形式で練習できます。
3. 問題集で「解く力」と「知識の穴埋め」を行う
AWS Certified AI Practitioner試験の対策として、問題集を活用して「解く力」と「知識の穴埋め」を徹底的に行うことは非常に重要です。まず、問題集を繰り返し解くことで、本番試験に近い形式や難易度に慣れることができ、時間配分や解答手順のコツを身につけられます。また、解くだけでなく、各問題の解説を理解し、なぜその選択肢が正しいのか、他の選択肢が誤りである理由まで読み込むことで知識の定着が図れます。
問題集で間違えた問題や自信のない分野については、関連する公式ドキュメントや学習コンテンツに立ち返り、知識の穴を補完しましょう。特にAIや機械学習の基礎原理、代表的なAWSサービスの特徴、実務での利用ケースなど、自分がつまずきやすいテーマを重点的に復習することが大切です。模擬試験やセクション別の問題を活用し、自分の弱点を可視化しながら、繰り返しアウトプット練習を続けることで、点在した知識を体系だてて整理することができます。
実際に解いて良かった問題集は以下になります。

AWS Certified AI Practitionerの具体的な試験対策
その上で、この新しい試験の得点を具体的にアップさせるための戦術を3つのポイントに絞って解説します。
1. AIサービスの「役割」と「ビジネス価値」をセットで覚える
AIF-C01試験では、個々のAIサービス(例: Amazon Rekognition, Amazon Transcribe, Amazon Comprehend)の技術的な詳細よりも、「どのサービスが、どのようなビジネス課題を解決するのか」という結びつけが問われます。
- 具体的な対策:
- 「もし自分が企画担当者なら」と考える: 例えば、「コールセンターの通話内容を分析して顧客満足度を測りたい」という課題にはAmazon Transcribe(文字起こし)とAmazon Comprehend(感情分析)を組み合わせる、といった具体的なシナリオを自分の中で作ってみましょう。
- サービス名と機能を直結させる: Rekognitionは「認識(Recognition)」で画像・動画認識、Comprehendは「理解(Comprehend)」で自然言語理解、というように、サービス名と主な機能をセットで記憶すると、問題文の要求と選択肢を素早く紐付けられます。
2. 「Bedrock」「SageMaker」「その他AIサービス」の使い分けを明確にする
この試験では特に、生成AIの中核であるAmazon Bedrock、機械学習プラットフォームのAmazon SageMaker、そして上記のような特化型AIサービスの3者の違いを理解することが重要です。
- 具体的な対策:
- 「誰が使うか」で判断する:
- Bedrock: 開発者が多様な基盤モデル(FM)をAPI経由で簡単に利用したい場合。
- SageMaker: データサイエンティストや機械学習エンジニアが、モデルを自前で構築・トレーニング・チューニングしたい場合。
- その他AIサービス: 機械学習の専門知識がないユーザーが、特定のタスク(画像認識など)をすぐに実行したい場合。
- 問題文のヒントに注目: 「独自のモデルを構築」「詳細なチューニング」といった言葉があればSageMaker、「複数の基盤モデルを試したい」「プロンプトエンジニアリング」ならBedrock、「専門知識不要で画像から物体を検出したい」ならRekognition、というようにキーワードから判断する練習をしましょう。
- 「誰が使うか」で判断する:
3. 「責任あるAI」の観点から不適切な選択肢を消去する
試験は、技術だけでなく「責任あるAI(Responsible AI)」の原則も試験範囲に含んでいる点が特徴です。これは得点源になると同時に、不適切な選択肢を判断する上での強力な武器にもなります。
- 具体的な対策:
- 基本原則を理解する: 公平性、説明可能性、プライバシー、セキュリティ、ガバナンスといった「責任あるAI」の基本原則を把握しておきましょう。
- 不適切なシナリオを排除する: 例えば、「個人情報を保護せずにモデルを学習させる」「モデルの判断にバイアスがかかっていても気にしない」「生成AIが作成した不正確な情報をそのまま公開する」といった内容は、この原則に反するため不正解の選択肢である可能性が極めて高いです。倫理的な観点から選択肢を絞り込む視点を持つことが、得点アップにつながります。
まとめ
AWS Certified AI Practitioner試験の合格に向けて、本記事では具体的な勉強法や対策のポイントを解説しました。この資格で問われるのは、技術的な深さよりも、AIや生成AIの基本概念を理解し、「どのAWSサービスが、どのようなビジネス価値を提供できるか」を的確に判断する能力です。
学習の第一歩として、まずはAWS公式の学習リソースで基礎を固めましょう。その上で、各AIサービスの主要な機能とユースケースを整理し、知識を体系化することが重要です。
そして、合格の鍵を握るのが模擬試験の活用です。繰り返し問題を解くことで、知識が定着し、自分の弱点を明確にできます。間違えた箇所を重点的に復習するサイクルを確立し、自信を持って試験に臨んでください。本記事で紹介した戦略が、あなたの合格への一助となれば幸いです。